INTERVIEWインタビュー

渡邊 佳恵 選手インタビュー

所属チーム トヨタ紡織 サンシャインラビッツ
ポジション G ニックネーム アグ
身長 / 体重 162cm/55kg 出身地 神奈川県
生年月日 1986年3月19日(水) 血液型 A型

アグレッシブなプレイで
若きチームを牽引するフロアリーダー

渡邊 佳恵

今回のゲストはトヨタ紡織のキャプテン渡邊佳恵選手です。年内のリーグが終わって5勝7敗。富士通に延長で勝利するなど、中川文一ヘッドコーチ体制3年目の今シーズンは地力をつけてきています。そんな中でキャプテンとしてリードするのがガードの渡邊。これまではポイントガードとしてチームをアップテンポな展開へと導き、今年はポイントガードとシューティングガードの両方を兼ねながらチームを束ねています。「チームメイトとの対話を大切に」と、コミュニケーションを大切にするキャプテン。トヨタ紡織のフロアリーダーに、中川バスケ3年目の成長について話を聞きました。

――ここまで年内のリーグ戦を終えて、自分たちの課題は。

高さがないのでリバウンドを取ることと、ファウルかさんでしまうことが課題です。ファウルがかさむことで相手が中に切れ込んできたり、ボールと関係のないところのファウルで相手にフリースローを与えてしまったり、もったいないことで流れがストップしてしまうのが自分たちの悪いところ。リバウンドを取ってからスピードで攻めるのが中川さん(ヘッドコーチ)のバスケットなので、いったんフリースローで止まってしまうと、そこでリズムがおかしくなってしまうんです。これを改善しなければなりません。

――富士通に延長で95得点のハイスコアで勝利したり、中川文一ヘッドコーチ体制3年目となり、チームカラーが浸透してきたように感じます。今シーズンの手応えは?

昨シーズンとの違いは感じています。去年までは長部(沙梨)だけで攻めようとしていて、調子がよければ他の選手も得点をしていたんですけど、今年は全員で攻めようとしています。私たちのバスケはパスを流していきながらの1対1や、どこからでも攻めるのが目指すスタイル。それができている時は、どこのチームともいい勝負をしているし、勝てる試合もあります。でもいい時がずっと続いているかといったらできてないですし、相手のディフェンスに圧倒されてしまうと点差がついて負けてしまいます。

――「パスを流す」というのを具体的に説明すると、どんなバスケですか?

パス&ランです。パスをしてその場にいないことがうちのルールなんです。パスをしたあとにその場いるんだったら、もう一回パスを受けてそこからの展開を狙います。ボールと人がその場にいると私たちのバスケはうまくいかないので、パス&ランができている時がボールと人が流れるので、シュートにうまくつながります。

――ガードとして、「パスを流す」ことについては、どう心がけてゲームメイクをしていますか。

今年になってから新人の川原(ゆい)が司令塔としてやってくれるのですが、去年までは自分が司令塔としてやっていたので、川原をサポートしようと思っています。ボールが流れなかった時に川原もしんどいだろうし、そこは自分が声をかけてやっていかなきゃいけないと思っています。

パス&ランができなかった場合は、どのように打開していこうと思っていますか。

そこが課題なんですよね。中川さんのバスケはパス&ランからのフリーランスなので、それがうまくいってハマった時はどこよりも面白いバスケをしていると思います。でも、去年はハマってない時が多かったし、今年もハマらなかった時が難しいなと感じています。

そんな時はやっぱり自分たちで考えて作り上げていくことです。足を止めずに、意志の疎通をしながら、次の展開を考えながら、パスを流すことがテーマです。

――中川ヘッドコーチが就任する前はスクリーンを多用したエイトクロスのオフェンスをやっていましたが、今求められているのはフリーランスオフェンス。動きが決められているバスケと、動きが決められていないバスケへの変化は難しかったのではないですか。

はい。数年前は韓国のコーチが技術指導をしてくれて、ドリブルつくな、スクリーン使えというエイトクロスのバスケでした。そこから中川さんのバスケへの切り替えは確かに難しかったです。パスばかり探してしまったり、どこで攻めればいいのか迷うという壁にぶつかってしまったり。ただ、あの時代があったからスクリーンの使い方はうまくなりました。自分や長部、岡田(麻央)選手はエイトをやってきたからこそ、スクリーンの使い方が身についているので、今にプラスになっているところがあります。これまでやってきたことは無駄ではないので、生かしていきたいと思います。

――年明けのリーグ後半戦、キャプテンとして、どのようにチームをまとめたいですか。

キャプテンとして“いい顔”をしてバスケをしたいですね。自分が気持ち的に下がっていたらチームとしても下がってしまうので、いい顔をしてやっていたら気持ちも上がると思うんです。中川さんからも、佐々木コーチからも、自分の顔つき次第でみんなが変わると言われているので、試合だけではなく、そのことを練習からも意識して取り組んでいます。今の自分は悪い時でも顔に出ちゃっているので、もっと声をかけてあげたり、一人一人を見て、話していくことを心がけたいです。コミュニケーションを図ることがキャプテンとしていちばんにやらなくてはならないところです。そして目の前の一戦一戦を引っ張って、一つでも多く勝ち星を上げていきたいです。


質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)


●コートネーム「アグ」の由来は?

アグレッシブの“アグ”です。トヨタ紡織に入社した時に一つ上の先輩がつけてくれました。アグレッシブなプレイをしてほしいとの願いが込められています。大学時代はリュウでした。今でもリュウと呼ばれることのほうが多いかな?

●一日の生活はどういうスケジュールですか?

4時45分に起床して、体育館に行って自主練するところから一日が始まります。自主練が終わってから朝ご飯を食べ、8時半から午後2時まで仕事。午後3時から練習をして、7時前後に夕食を取り、その後に自主練かビデオミーティングをして、8時半から9時に帰宅。お風呂に入って洗濯して、あとは寝るだけですね。自主練では朝いちばんに体育館に行って、静かな状態で練習をするのがWリーグに入ってからの日課です。キツイ毎日ですが充実しています。

●キャプテンの渡邊選手から見て、トヨタ紡織はどのようなチームですか?

元気がありますね。グループにわかれてないので、全員が一つになっています。特にうるさいのは奥村(舞香)選手。「何か芸をやって」と言えば、すぐにやってくれるのは兵庫出身の関西人だからですかね(笑)。自分はどっちかといえばふざけるほうに入りますし、芸の指導もします(笑)。出身は神奈川なんですけど、大学が関西(大阪体育大)なので、そっち方面に行ってしまったみたいです(笑)。逆に若い子たちが面白いことをやっている時に微笑んで見ているのは長部さん。みんな仲が良くて楽しいチームですよ。

●休みの日は何をしていますか?

基本的には掃除をしています。掃除が大好きなんです。やり出したら止まらないんですよ。休日で予定がある日も朝に掃除をしてから出かけますし、予定がなかったら物をどかして、床拭きから徹底的にやります。遠征から帰ってきた時は荷物整理をきちんとしないとリラックスできないですし、シーズンオフ中は平日は仕事なのでなかなか掃除ができないんですが、金曜の夜に仕事から帰ってきてから掃除をして、スッキリした気持ちで土日を迎えて休みます(笑)。物が置いてあると気になってしかたないんですよね。今、ハマっていることも掃除かもしれません(笑)

●バスケをしていなかったら、何の職業に就いていたと思いますか?

教員です。体育教師になりたくて大阪体育大を選びました。中学生の頃から体育の先生になりたかったんです。教員免許も持っています。でもWJBLから声がかかった時に、やれるならトップのリーグでやりたい、できるところまでプレイヤーを続けたいと思ってトヨタ紡織でプレイすることにしました。今はバスケを辞めたあとのことは考えられません。今をしっかり戦いたいと思います。


インタビュー&構成/小永吉陽子