INTERVIEWインタビュー

渡嘉敷 来夢 選手インタビュー

所属チーム JX-ENEOSサンフラワーズ
ポジション CF ニックネーム タク
身長 / 体重 193cm/85kg 出身地 埼玉県
生年月日 1991年6月11日(火) 血液型 A型

SPECIAL INTERVIEW
WNBAに挑戦! 渡嘉敷来夢(JX-ENEOS サンフラワーズ)

渡嘉敷 来夢

第16回Wリーグにおいてチームの7連覇に貢献し、レギュラーシーズン、プレーオフのダブルMVPに輝いた渡嘉敷来夢選手(JX-ENEOSサンフラワーズ・#10)が、WNBA・シアトルストームとの選手契約を締結。5月初旬に渡米し、6月のシーズン開幕に備える渡嘉敷選手に、改めて今回の「海外チャレンジ」について話を聞いた。

アジア選手権での優勝、そしてMVPでWNBA挑戦を意識した

──選手契約の発表記者会見からしばらく経ちましたが、現在の心境はいかがでしょうか。多くの方からメッセージが届いていると思いますが?

「おめでとう!!」とか「頑張ってね!!」というメッセージをたくさんいただいています。それは嬉しいことですが、その反面、プレッシャーになるかもしれないなと思っているので、深く考えないようにしています。まずは自分のパフォーマンスをしっかり披露できるように、“頑張ってきま〜す”って明るく前向きな気持ちでお返ししています。

──反響はご自身が思っていた以上でしたか?

自分が思っていた以上でした。正直ビックリしています。お世話になった方々、特に井上先生(眞一/桜花学園高校)がすごく喜んでくださいました。お電話でお話した際、「本当に良かったな」って言ってくださって……それが一番嬉しかったですね。井上先生には直接、ご報告したいのでオフを利用してご挨拶に伺う予定です。

──先日の記者会見でお話されていましたが、「これまでは自信がなかった」とのことでした。その自信が付いた、一番の要因は何だったのか改めてお聞かせください。

一昨年のアジア選手権(FIBA Asia Championship for Women)で日本代表としてプレーし、43年ぶりの優勝とともにMVPをいただきました。この結果を受けて、「そろそろ挑戦したい」と思ったのですが、具体的なアプローチの段階(トライアウトも視野に入れていた)で求める結果が得られないとわかって断念しました。「自信が付いた」のは、アジア選手権の優勝とMVPで、海外のトップ選手と戦ってみたいと思いましたし、「チャンスがあれば海外でプレーしたい」と口にするようになりました。

──実際にそのような発言をするようになると、周りの見方も変わってきますよね?

そうですね。その後、世界選手権に出場しましたが、その上でのこと(契約締結)なので、とても嬉しいですし、励みになります。

──その世界選手権は0勝3敗で予選敗退という結果でした。打ちのめされたというより、さらに上を目指したというモベーションになったのでしょうか?

チームとして結果を残せませんでしたが、個人的にはまだまだやれるし、もっと上に行けるんじゃないかという気持ちが強くなりました。たくさん優秀な選手がいましたし、もう一度このような舞台でプレーする時に、「日本のあの10番、4年前と全然違うよね」って感じさせたいです。皆を驚かせるというか、見返せるような活躍ができるようになりたいと思っています。もう一度、世界の舞台に立つんだったら、国内でプレーするだけでなく、海外でさまざまな経験を積まなければならないと考えています。

──「経験」は頭で考えていても意味がない。だったらチャレンジしようと?

海外に挑戦して揉まれて、いろいろなことを吸収したいなと思っています。だから今は“楽しみ”しかないです。

──ルーキー時代のインタビューを再読させていただきましたが、「引っ込み思案」だと答えています。それは変わりましたか?

変わったと思います。海外チャレンジを決めたわけですし、それが楽しみでしょうがない(笑)。向こうに行って、“どれだけ自分を表現できるか”というのが求められていますからね。飛び込んで行くのに「引っ込み思案」なんて言っていたら、もうそれだけでカットされてしまう。「キミはアメリカ観光に来たの?」って(笑)。

──その辺りは、日本で積み上げたキャリアと、アジア選手権で得た自信も大きいのでしょうか?

そうですね。徐々に出来上がった部分はあると思いますが、ケガをして手術を経験してからの心境の変化が大きかったと思います。それまでは、「ミスしたらどうしよう」とか、練習がしんどいと「もうイヤだ」って・・・。それが、ケガをしてプレーができない期間に、“プレーできることの幸せ”や“多くの方にサポートされているという感謝”に気づくことができ、自然と吹っ切れたんです。なので、3年目のシーズン、ケガから復帰したシーズンに開花したというか、成長できたという実感があります。

──今回のことは、その時その時の心境の変化や、コンディション的なことも重なり合って実現できたわけですね?

ルーキーシーズンに活躍し、その後ケガで苦しみました。復帰後は良いシーズンが送れて、アジア選手権で好成績を収めました。Wリーグは連覇を続け、世界選手権を経験し、今シーズンも優勝とダブルでMVPを獲得。そして、いよいよWNBAへ・・・。ケガから復帰した後は順調に来ていると思います。

──自信が付いて海外挑戦を明言し、周りの応援ムードも高まってきて、良いタイミングなんですね。

あとは、チームの主力として皆を引っ張らなければ、という自覚や責任感が強くなったことも影響しているかも知れません。リュウさん(吉田亜沙美・#12)やメイさん(間宮佑圭・#21)ら先輩方がいますけど、自分がしっかりチームを支えなければいけないと思っています。先輩方がいる中で、そこに頼るのではなく、自分も一緒にチームを引っ張ろうという意識が大事だと思っています。そういった変化も、きっと“前向きな気持ち”につながっているんです。

──そのポジティブな考えや行動があれば、初の海外挑戦も大丈夫。心配されている英語を覚える前に、チームに溶け込めそうですね?(笑)

そうですね、ノリの良さと勢いで何とかなると思っています(笑)。とにかく積極的にやった者勝ち!!英語が話せないから前に出ない、ではなく「コイツ、英語も話せないのにプレーは凄いな!!」って思わせたい。コートに立って自分を表現する、今はただそれだけですから。

──開幕に向けて準備を進めている段階ですが、こんなふうになれればいいなと考えていることはありますか?

こんなふうにという具体的なイメージは特にありませんが、たとえバスケが通じなくても何かを吸収して成長したい。語学は学べるでしょうし(笑)、何でもプラスになると思います。すべてのことが、「絶対に自分のプラスになる」と信じています。たとえどんな評価を受けたとしても、それがマイナスの評価であったとしても、今回の挑戦そのものが“経験”になると思っています。どれくらい自分が進化し、成長できるのかというのが本当に楽しみです。

──常にポジティブ!! 少し話は変わりますが、2020年・東京オリンピックは視野に入っていますよね。シアトルのチームメイトやマッチアップした選手とオリンピックで再会できるかも知れませんが?

そうなればいいですね。東京云々ではなく、オリンピックに出場したい。当面はリオ・デ・ジャネイロ。そのためにも、まずは自分がさまざまな経験をして、成長できるように頑張りたいと思います。これからも応援、よろしくお願いします。

(インタビュー・羽上田昌彦)



渡嘉敷 来夢

WJBL挑戦を発表した渡嘉敷


渡嘉敷 来夢

シーズン、プレイオフMVPを受賞したほか、ベスト5、得点王、リバウンド王など各賞を総なめにした