INTERVIEWインタビュー

渡嘉敷 来夢 選手インタビュー

所属チーム JX-ENEOSサンフラワーズ
ポジション CF ニックネーム タク
身長 / 体重 193cm/85kg 出身地 埼玉県
生年月日 1991年6月11日(火) 血液型 A型

SPECIAL INTERVIEW
WNBA 2年目の挑戦  渡嘉敷来夢(JX-ENEOS サンフラワーズ)

渡嘉敷 来夢

昨年、WNBA・シアトルストームの一員として1シーズンを過ごした渡嘉敷来夢選手(JX−ENEOS サンフラワーズ#10)が今年も渡米した。主力のひとりとして期待されているシーズンの活躍は楽しみでならない。リオ五輪を前に日本代表チームを一時離れるが、「もっと成長した姿をお見せします!」と、本人にまったく気負いは感じられない。WNBA2シーズン目を前に話を聞いた。

アメリカでさらに成長し、オリンピックへ臨みたい

──2シーズン目のWNBAは、また新たな想いでの渡米になると思いますが?

日本代表の合宿を離れてシアトルに向かいます。あまり深くは考えていないです(笑)。ただ、昨シーズンのスタッツが残っていますから、その数字が自分にとっては最低ラインだと思っています。

──2年目は環境に慣れてプレーしやすいかもしれませんね?

普段の生活はそうかも知れませんね。ただ、プレーに関しては対戦相手も研究してくるでしょうし、アジャストしてくるはずです。その中でどういったバスケットができるか、今はそれがすごく楽しみですし、課題になると思います。

──ご自身で考える、2シーズン目のテーマは何でしょうか? もし、不安があるとすればどうところでしょうか?

昨シーズンはアウトサイドのプレーで成長を感じています。ただ、相手が「外のシュートだけ」と思ってアジャストしてくれれば、もともと好きなドライブが狙いやすくなるので、その精度を上げるのがテーマになるでしょうか。ただ、ドライブでゴール下へ行けたとしても大きな選手がいるので吹き飛ばされてしまいます。なので、フィニッシュはていねいに、かつ力強く行きたいと思います。
1年目は笛の違いもあって、その辺りのプレーに戸惑いがあったんです。上手く避けようとしても相手がぶつかってくる。それがファールにならないし、はじき出されてしまうんです。だったら避けるよりは、思いっきりぶつかっていく感覚でプレーしなければなりません。そうすれば笛が鳴るので、今年はどんなに強い相手が待っていても逃げるようなプレーはしないです。

──ファールをもらうだけではなく、「上手くかわして華麗なフィニッシュ」も身につけますか?

得点のバリエーションを増やして、それをオリンピックで披露できるようにしたいですね。昨シーズンのWNBAの経験はFIBA ASIA選手権でのプレーにつながりました。今年はそれをオリンピック本番につなげたいですね。アメリカでもう一度(気持ちの面もフィジカル面も)つくり上げたいと思います。

──少し余裕が出てきたところで、プライベートも含め楽しみにしていることはありますか?

いや、もうバスケットをしていることが一番楽しい! まったくレベルが違いますし、練習からオリンピック選手と一緒にプレーするわけですからね。チームメイトには何度もオリンピックを経験し、メダリストなっている選手がいます。その環境で練習できるというのは、自分にとって大きくプラスになりますし、練習から盗めるところは盗んでいこうと思っています(笑)

──お話を聞いているとリラックスされているのがわかります。コートに立てば、ガラリと変わるわけですね?

コートに立てば、すぐにスイッチが入ります。リフレッシュしているときも、相手チームの試合のビデオを観たり、NBAのビデオを観たりするのがアメリカでは楽しみなんです。上手い選手やすごい選手がいっぱいいますし、アメリカといえばスーパースターがたくさんいるイメージなので、そういう選手たちを観て勉強しています。

──完全オフはどのように過ごされているのでしょうか? 住まいは一人ですか?

買い物に行ったり……ただ、シーズンが始まってしまうと、丸一日オフというのはほぼないですね。午前中に軽く練習して、午後はオフというはありますが、そうなれば休養に当てています。住まいは昨シーズンは通訳の方とルームシェアしていました。今年は1人暮らしかもしれませんけど。

──WNBAはトップリーグですから、アリーナの雰囲気も違うでしょうね?

それは量(観客数)とノイズ(声援)の大きさが全然違います(笑)。日本でのファイナルの試合がレギュラーシーズンのホームゲームの感じでしょうか。シアトルはそれほど上位ではないですが、ミネソタなど上位チームになるともっとすごい! 満員のアリーナでホーム&アウェーというのが、盛り上がる理由なんでしょうが、アメリカは広いからそれができるんだと思います。

──そんな中での2年目シーズンは、相手に研究されていると想定し、その壁を打ち破りに行くわけですね?

あとはもう本当に“思いっきりやる”ということですね。プレーヤーとして、毎年毎年同じように考えていますが、アメリカへ行くと余分な力が入らないというか、よりリラックスできるというか……中心選手ではないですし、「背負っている感」がない。これやらなきゃ、あれをやらなきゃということがないので、ただ思い切りプレーして、自分の一番いいパフォーマンスを披露して頑張ることが大事、そう思っています。それをヘッドコーチやチームメイトが認めてくれれば試合に出られるし、気持ち的に追いつめられることはありません。ただ一生懸命にプレーすることに集中するだけです。

──日本のファンはJX-ENEOSの8連覇を見届け、「タクはアメリカへ行って変わったよね」って応援しています。

まぁあれぐらいのプレーをお見せしないと(笑)。さっきも言いましたが、アメリカでは外からのプレー、アウトサイドのシュートが良くなったと思います。フィールドゴール成功率で1位になりましたが、ゴール下だけではなく、ミドルのジャンプシュート増え、それが決まったからだと思います。その辺りを見てくださったとしたら嬉しいですね。

──アメリカ行きの飛行機に乗れば“ワクワク”し、帰りの飛行機ではまた気を引き締め、成長した姿を披露できるように頑張る。アメリカでは、バスケを始めた頃の自分になれるんですね?

優勝しなければ、チームを引っ張らなければというより、どこまで自分が頑張れるか、ですからね。ただ、シアトルではスタートでも出ていたので、そのプライドは大切したいと思っています。もっと上を目指して、昨年以上の結果を残せるように頑張ります。スタッツを意識したり、勝利に貢献できるプレーをしたり……そう簡単なことではないとわかっていますから、そこはもうやるしかありません。

──WNBAでもう一度、ルーキーの気分を味わいました。今度もまた、新鮮な気持ちでチャレンジできますね?

その感覚はあります。昨年は、自分のバスケットボール人生の第2章が始まったんだなって思いました。

──第3章はオリンピック?

いえ、第2章の続きじゃないでしょうか。第3章は東京オリンピックかもしれません(笑)

──ところで、オリンピックはどんなイメージを持っていますか?

今はまだまったくわかりませんが、とにかく楽しみです。実際、コートに立てば緊張するんでしょうが、今は楽しみしかないですね。リオでオリンピックを経験できるのは自分にとっても、日本チームにとっても大きな経験になると思います。2020年の東京オリンピック向けて、一度オリンピックを経験していれば、少し余裕が持てるというか、次の世代の選手たちにアドバイスができたり、経験談を語れたりする30歳、いや29歳(!?)になれる(笑)。そのためにも今回の渡米を有意義なものにしたいと思っています。応援、よろしくお願いします!

(インタビュー・羽上田昌彦)



渡嘉敷 来夢

WJBL挑戦を発表した渡嘉敷


渡嘉敷 来夢

シーズン、プレイオフMVPを受賞したほか、ベスト5、得点王、リバウンド王など各賞を総なめにした