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2017年2月13日(月)特集

第18回Wリーグ・プレ-オフへの展望〜OGの目・萩原美樹子さん

いよいよ今週末よりプレーオフが始まります!
レギュラーシーズンを勝ち抜いた、8チームが優勝を目指します。
 愛知県と鹿児島県で繰り広げられるプレーオフについて、展望をJOMO(現JX-ENEOS)OGの萩原美樹子さんに語っていただきました。

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『Wリーグプレーオフ展望』                   

 熱狂のうちに終わったリオ五輪。我らが日本の女子代表の戦いぶりに胸を熱くしたファンも多かったことでしょう。凱旋した彼女たちが程なくして臨んだ今リーグ、代々木第二体育館で行われた開幕戦は、毎年見ている私たちが驚いてしまうほどたくさんのファンが足を運んでくれました。「日本の女子バスケはなかなか面白い」。そう内外に知らしめてくれた五輪戦士たちを中心とするシーズンが、今まさに佳境です。

 レギュラーシーズン(RS)を終えてクォーターファイナル(QF)に出場する8チームがいよいよ出そろいました。QFはリーグ戦方式ではなく、トーナメント方式の「デスマッチ」。昨季も、各チームが緊張感に満ちた試合を見せてくれました。1プレー、一瞬の判断が勝敗と順位に直結します。RSより更に気合のこもったチームの攻防は見応え十分で、個人的にはこのシリーズが一番面白かったと感じました。

 今年のRSは、JX-ENEOSが無敗で独走。圧倒的な強さを見せていますが、トヨタや三菱電機が順位を上げてきていて面白い存在です。
 特に、昨季7位で終わった三菱電機は、富士通に3戦全勝しシャンソンにも2勝1敗で勝ち越して、最終4位でRSを通過しました。#24王や#15西岡と言った器用な大型センターを擁しているチームですが、今季は#45渡邉の存在がキーになっています。

 元々得点に対する嗅覚が鋭く、気持ちを前面に押し出してプレーするタイプ。クラッチシューターと言っていいのですが、名ポイントガード(PG)の橋本の引退後、PG的な役割を任される場面が増えました。自ら状況を打開して点をとるタイプの彼女にとって、仲間を活かしたり、オフェンス全体をコントロールする課題は非常に高いハードルだったことは想像に難くありません。が、この渡邉と高確率のシューター陣、#4根本・#5池谷辺りが嚙み合ってきました。若手中心に舵を切ったここ1~2年の布陣が、徐々に熟してきた印象です。加えて、元代表のオールラウンダー#6櫻木の復帰、今季副キャプテンの#9小菅の渋いバックアップなども快進撃の大きな要素です。

 今季から指揮を執っているのは、永年アシスタントとして選手を知り尽くしている古賀ヘッドコーチです。昨季、同じQFの舞台で富士通を最後まで苦しめ続けた彼女のゾーンDEFにも磨きをかけていることでしょう。悲願のセミファイナル進出なるか。必見です!

 もう一つ特筆したいのが、羽田のプレーオフ進出です。RS1次ラウンドの順位は9位でしたが、2次ラウンド下位リーグではきっちりと4勝し、QF進出に名乗りを挙げました。創部初の大快挙でもありますが、WJBL史上で見ても、クラブ型チームがプレーオフに進出するのは大きな意義を持った出来事と言えそうです。

 RSは続出する怪我人に苦しめられ、#15落合や#19瀨崎と言った元気の良いガード陣がプレーを制限されていましたが、それを補ったのは、大卒の新人PG#12本橋と言っていいでしょう。得点力と脚力のあるピュアガードで、新人ながら羽田のオフェンスをしっかりマネジメントし、戦力としてチームの一翼を担いました。そして、ここにきていよいよエースの#15落合が復帰。ここ一番にめっぽう強い#19瀨崎、経験豊富なベテラン#11森本、2次ラウンドに入ってから調子を上げている#9杉中辺りが得点に絡むことが、QFを戦う上での必須要件です。1回戦の相手は女王JX-ENEOS。超・超強力なセンター陣をどう抑えるかも大事になってくるでしょう。
初めてプレーオフに進出した、東京・大田区に拠点を持つプロのクラブチームとして何よりも、気概と誇りをもった1プレー1プレーを、ぜひ見せてほしいと思います。

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