NEWSニュース

2015年1月16日(金)特集

第16回Wリーグ・後半戦の展望〜OGの目・萩原美樹子さん

リーグ後半戦の展望をOGに語っていただくシリーズ。
最終回はJOMO(現:JX-ENEOS)OGの萩原美樹子さんです。

>>>>>>>>>>
オールジャパンはJX-ENEOSの優勝に終わりましたが、個人的には準々決勝のデンソーvsトヨタ紡織、そして準決勝のJX-ENEOSvs富士通の試合がとても面白かったです。デンソーに突き放されず、逆にリードを奪い返すなどして粘り続け、最後まで喰らいついて惜しくも4点差で涙をのんだトヨタ紡織。中川HC得意のパッシングからのシューティングバスケットを、選手たちが徐々に自分たちのものとしつつあるように見受けられます。レギュラーシーズンで、格上の富士通に再延長まで粘って勝利したのも見事でした。
そしてその富士通も、今年は勢いがあって非常に面白い存在です。今回の準決勝では主力選手の怪我とファウルトラブルに泣きましたが、女王相手に再三見せた速いトランジションからの得点は観客を唸らせました。まだまだポテンシャルがあるチームだと思います。リーグ後半は、この2チームが台風の目になってくるような予感がします。
また、オールジャパン明けのこの時期は、実は各チームが一番気を張らなくてはいけない時期でもあります。プレーオフまでまだまだ試合を残しているこの段階で不容易に星を落とすと、後々の順位決定に大きく響いてくるからです。特に今年は、オールジャパンが終った翌週から早々にリーグ戦が再開されます。オールジャパンでのネガティブ要素を引っ張ってしまうと危険です。裏返せばここからの各チームの攻防は、ファンにとっては目が離せないものとなってくるのではないでしょうか。大いに期待しましょう!!

さて、後半戦に向けて私が注目したいのは、JX-ENEOSの大型フォワード #52 宮澤夕貴選手です。元々はハイポストからのプレーやゴール下での接触の強さ、リバウンドに定評があり、そのため4番の控えとしての起用が多かった宮澤選手。しかし、182㎝の身長は4番としては決して高い方ではありません。昨シーズン終盤から3番へのコンバートが図られ、目下のところ「勉強中」と言えるでしょう。しかし今シーズンは、元々のドライブの強さに加え、徐々にミドルレンジのシュート試投数や確率を上げてきています。フロントコート陣へのディフェンスや3Pシュート、ポストマンへのパスなどまだまだ課題は多いものの、そのプレーぶりには大きな可能性を感じます。小さくて速いフロントコート陣に対してのディフェンスは、抜かれて抜かれて、これでもかと抜かれまくって少しずつ相手との間合いを覚えていくもの。しかし逆に身長分のリーチは大きな武器です。オールラウンドな3番プレーヤーとして大成するために今は引き出しを増やしている時期だと思って、オフェンスでもディフェンスでも怖がらずにどんどん前へ出て行ってチャレンジしてほしいと思います。彼女が3番として自在にプレーするようになれれば、JX-ENEOSの女王の座は更に不動のものとなり、引いては女子日本代表のレベルアップにもつながっていくことでしょう。
>>>>>>>>>>

さて、4回にわたりお届けしたOGの皆さんによる後半戦の展望は今回で最終回。明日からいよいよ後半戦が再開します。プレーオフ進出に向けた各チームの戦いに、引き続き熱いご声援をお願いします!!

1/18(日)に平塚市で行われる 富士通vsアイシンAW 戦は動画配信サイト『WJBLチャンネル』で1/19(月)配信予定です。お楽しみに!!
動画配信サイト『WJBLチャンネル』はこちらから↓
http://www.wjblchannel.jp/

(写真は、JX-ENEOS #52 宮澤夕貴選手)