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2016年11月7日(月)特集

アグレッシブな運動量で暴れ回る富士通の核弾頭

篠崎 澪選手(富士通 レッドウェーブ)

篠崎 澪

今回のゲストは富士通の篠崎澪選手です。豊富な運動量でコートを駆け回り、チームの得点源として活躍する選手です。今シーズンは富士通3年目。Wリーグでは新人王を獲得し、2年連続でファイナルに進出。日本代表の活動では、昨年度(2015年)はユニバーシアードでベスト4入りする原動力となり、日本代表としてもアジア選手権に出場し、リオ五輪の出場権獲得に貢献しました。今年度(2016年)はリオ五輪のメンバー入りこそ果たせませんでしたが、日本代表候補として活動し、着実に経験を積み重ねています。富士通の主力として活躍する篠崎選手に3年目にかける今—ズンの意気込みを聞きました。

——開幕して1ヶ月が経とうとしています。今シーズンはどのように準備をして開幕に臨みましたか?

まず、昨シーズンはオフにユニバーシアードや日本代表の活動があり、走り込みや体を追い込めないままにシーズンを迎えてしまい、終盤にバテてしまったので、今年は代表活動が終わってからは体作りや走り込みを一からやりました。あとは、自分の課題である外角シュート率を上げることを重点的に練習してきました。

——昨シーズンは体力的にバテてしまったのですか?

終盤というより、シーズンを通して自分の納得のいくコンディションではなかったです。日本代表で遠征が多かったので、チームに合流したのが9月だと体作りをしている時間がなかったんです。私の場合は見てわかると思うのですが、サラサラッとやるプレイヤーでなくて、パワーでガンガンと体をぶつけて走っていくタイプなので、私にとっては体作りはすごく重要なんです。まだまだ納得はいってないのですが、一試合を戦う体力は昨シーズンよりはいいと思います。

——2シーズン連続でファイナルに進出していますが、ファイナルに出てみて感じたことは何ですか?

2年前はストレートで負けてしまって、昨シーズンは1勝したけれど、全体的に言えば、2回ともJX-ENEOSには劣っていました。JX-ENEOSはシュート力だったり、ここぞというところの気迫がすごかったです。

——その「ここぞ」という場面は、自分たちも試合中に気づいているのでしょうか?

はい。ここを守らなきゃと思っていても、JX-ENEOSはそれを上回ってくるし、ここで1本のシュートを入れれば、というところを向こうは入れてきて、こっちは入れられない。その差だと思います。あとは気持ちの問題ですか。向こうは王者なので絶対に負けられないという気持ちで向かってきます。そこに負けてしまいました。

——それでも昨シーズンは3戦目に1勝することができ、手応えをつかめたところもあったのでは。

あの1勝は失うものがないというか、「このまま終わるんだったら思い切ってやろう!」と切り替えたので、ああいう大差のゲーム(103−78)ができたんです。でもそれだと、4戦目はうまくはいかないですよね。向こうも立て直してきましたから。ファイナルに臨むには、どれだけ普段から練習で追い込んでいけるかだと思っています。ファイナルに出てそういうことがわかったし、経験ができました。

——日本代表についてお聞きします。残念ながらリオ五輪のメンバー入りはならなかったのですが、どのような思いだったのでしょうか。

すごく悔しかったです。でも、メンバーに選ばれるには3ポイントの決定力が足りなかったと思います。私はドライブが得意なのですぐにドライブに走ってしまうので、3ポイントの試投数が少ないし、確率も低かった。合宿で結果を出せなかったので、自分の実力不足だと思っています。だからこそ、早く切り替えてリーグで見返そうと思って練習してきました。とにかく、何かをしていないと「悔しい悔しい」と思っちゃうので、練習するしかなかったです。

——日本代表での悔しさを踏まえて、今シーズンの目標を聞かせてください。

個人的にはもっと得点に絡んでいくこと。とくに3ポイントを決めることですね。確率もですけど、試投数を増やさないといけないです。でも自分の良さであるドライブで行くことは変えないで、打てるときは積極的に打とうと思っています。チームではもちろん優勝を目指しますが、一試合一試合、取りこぼしがないように、目の前の試合に集中していきたいです。


インタビュー・構成/小永吉陽子