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2006年1月6日(金)特集

3ポイントもドライブインもできる選手になることが目標!

山本 久美選手(デンソーアイリス)

今回のゲストはデンソーの山本久美選手。昨シーズンよりデンソーのスタメンに定着した成長著しいプレイヤーです。桜花学園高時代はセンターでしたが、デンソー入社後はリリースの速い3ポイントを武器に、見事フォワードに転向。今シーズンはWJBL選抜にも選出され、海外遠征も経験しました。今シーズン、勝ち星を伸ばしているデンソー。今後チームがさらなる飛躍を遂げていくには、山本選手の成長なくしてありえません。よく話し、よく笑う明るい性格の山本選手の素顔に迫ってみました。

——山本選手のバスケット歴から教えてください。まず桜花学園に入学したいきさつは?

愛知に住んでいたので桜花学園の名前は知っていました。中学では愛知選抜に選ばれてジュニアオールスターに出たのですが、チームは市大会止まりで県大会にも出ていないレベルなので、桜花から声がかかるなんて絶対に思ってませんでした。そうしたら、井上先生から話が来たんですよ。「まさか!」ですよ(笑)。それで考え始めたんですが、高校でもバスケットをやるつもりでいたので、だったらどこも練習はきついわけだし、勝てるチームでやろうと。それで桜花に決めました。

——桜花学園に入学当時、身長はどのくらいあったのですか?

177㎝ありました。小学校を卒業する時は164㎝だったので、中学校でずいぶんと伸びましたね。だから、中学・高校ではセンターをやっていました。

——実際に桜花学園に入ってみて、どんな3年間でしたか?

1年生の頃はついていくのが精一杯でしたね。練習も厳しいし、はじめての寮生活ということで慣れないことばかりでした。試合にも勝ちが決まってから出るくらい。2年生になって、ようやく6番手で出るようになりました。それで3年生になって、まさか自分がなるなんて思ってなかったのですが、キャプテンになったんですよ。桜花学園のキャプテンになるなんて、入学した時は本当に思ってもみなかったですね。だけど、3年生の時は勝てなかったんです。1つの大会も優勝できませんでした。桜花学園という常勝チームにいながら、自分の代で勝てなかったのはすごい苦しかったですね…。自分のバスケ人生であの1年間はすごく苦しかった。取り戻したいというのがあります。

——高校3年生の1年間をやり直したいということですか?

はい。高3の時の成績が悪かったから…。周りから「ああ、桜花学園が無冠の時のキャプテンね」と言われるのがイヤですね。気にしないようにはしてますけど。高3のインターハイの1回戦で小林に負けてしまったんですね。競っていたけど逆転負けで。あの試合に勝つことができたら、そのあと波に乗れたと思うんですよ…。だからあの試合は忘れることができません。高3の時は一時的にですけど「なんでこんな思いをしてまでバスケやらなきゃいけないの!」と考えたこともあったんですよ。でも、あの1年の経験を無駄にはしたくないと今は思います。

——デンソーに入って3年目。昨年からはスタメンにもなりました。WJBLに入ってからの3年間はどんな3年間でしたか?

1年目はそんなに試合に出てなくて、昨年(2年目)から試合に出るようになりました。2年目に木村先生(ヘッドコーチ)が来られまして、練習はついていくだけでいっぱい、いっぱい。だけど、昨年の途中くらいから少しずつ練習中に「自分はこうしたらいいんだ」というのが分かるようになってきました。自分のプレイを出せる方法が少しだけ見えてきたような気がします。今シーズン(3年目)は移籍選手も来たし、木村先生の教えも浸透してきてチームが成長していると思います。

——木村ヘッドコーチから要求されていることは何ですか?

私はフォワードなんですけど身長が179㎝あるので、もっとリバウンドを取ったり、ミスマッチを生かしたポストプレイをしたり、3ポイントだけじゃないプレイを要求されています。外だけではなくて中もできるようにと。あとは、若いのだから勢いというか、元気を出してやることを言われています。

——今シーズンは勝ち星も増えて、チームのスタイルができてきたと思います。山本選手の今シーズンの手応えはどうですか?

自分ではまだチームの勝利に貢献したことがないと思っています。だからもっともっと自分がやらなきゃダメですね。相手チームはうちのチームの小畑(亜章子)さんと温子(渡邉)さんをチェックしてくると思うので、その2人がマークされて苦しい時に自分がどれだけ得点を取れるかだと思います。これは木村先生からも言われています。あと1クールしかないですけど、もっとチームの勝利に貢献したいです。

——山本選手が目指す選手像と、今後の目標を聞かせてください。 

今言いましたように、他の人にマークが来た時に自分が得点をすること。3ポイントは打てるけれど、ドライブができないのでドライブをマスターしたい。3ポイントがチェックされた時にドライブができれば幅が広がるので、外角をチェックされた時にどうやって1対1をするかを課題にしたいです。目指す選手像というのはあまり深く考えたことはないのですが、頼られる選手になりたいです。コートにいるだけで安心する選手。それが理想ですね。

質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●山本選手は愛知出身で、高校もWJBLでも愛知県のチームにいます。山本選手が思う愛知の郷土自慢を教えてください。

私、瀬戸市生まれなんですね。瀬戸市って言うとみんなに「田舎田舎」と言われるんですけど、でも実は万博があった都市でみんなが思うほど田舎じゃないということをアピールしたいです(笑)。駅前のイルミネーションなんかすごいんですよ! おかげで万博には3回行きました。万博に行っても実家が近くなので宿泊にも困らないし…。これ、郷土自慢にならないですかね(笑)。とにかく、瀬戸市は田舎ではないことをアピールしたいです(笑)

●犬が好きだと聞きました。どんな犬が好きですか? 犬は飼っていますか?

はい。犬が大好きです! 小5の時から飼っています。名前はモコで、雑種で毛がふさふさして一緒にいると癒されますね。今年、オールジャパンの試合に母が見に来てきてくれて、そこでお年玉といって袋をくれたんですね。その袋の中にモコとバスケットボールが写っている写真のフレームが入っていました。これから遠征に持っていけるので嬉しかったですね。高校から寮に入っていたので、モコに会うのは実家に帰った時に会うくらい。早く会いたいですね。

●休日はどのように過ごしていますか?

いろんなパターンがあるんですけれど、まず実家が県内にあるので実家に帰ってモコと遊ぶパターンと、健康ランドとかでゆっくりして、午後は部屋の掃除をして夕飯を誰かと食べに行くといった疲れを取るパターン。それから買い物に出かけるパターン。買い物が大好きなんです。私はわりとちょこちょこ出掛けるほう。疲れを取ろうと思って寮で寝ていたりダラダラしていると、次の日は体が重くなっちゃいます。だから午前中ゆっくりしたとしても、午後は動くようにしています。基本的には閉じこもっていることはないですね。

●ニックネーム「ジョイ」の由来は何ですか?

高校の3年間、特に最後の1年間が勝てなかったので、「バスケを楽しめるように」ということでデンソーの先輩がつけてくれました。ジョイは楽しむという意味ですね。高校の時は「走れるセンターに」ということで「ラン」でした。ランもジョイも気に入ってます。

●山本選手はどんな性格なのでしょうか?

自分の性格はハイテンションの時と、落ち込んでいる時の差が激しいと思います。騒いでいる時の自分って、めっちゃうるさいですよ。本当にうるさいし、よくしゃべるし、バカなことやったりするので「本当にアホだね〜」ってみんなに言われるんですよ(笑)。だけど、バスケットでうまくいかなかったりすると、落ち込んだりします。そういう繊細な一面もあります。かなり騒ぐけれど繊細な一面もあり、ということでお願いします(笑)

構成/小永吉陽子