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2024年4月3日(水)特集

ゲームプレビュー/2戦先勝方式のセミファイナルとファイナル…武蔵野の森が熱くなる!

3月30、31日に高崎アリーナにて行われたセミクォーターファイナルとクォーターファイナルを経てセミファイナル進出チームが決定。4月6日から始まるセミファイナルは『デンソー アイリスvs.ENEOSサンフラワーズ』、『富士通 レッドウェーブvs.シャンソン化粧品 シャンソンVマジック』というカードになりました。

【セミファイナル】
〈4月6、7、8日〉[武蔵野の森総合スポーツプラザ メインアリーナ]
12:00~ デンソー アイリス vs. ENEOSサンフラワーズ
14:00~ 富士通 レッドウェーブ vs. シャンソン化粧品 シャンソンVマジック
※2戦先勝方式のため3戦目(8日)は開催のない可能性もあり。


―昨シーズンに続いて再びセミファイナルで激突!デンソー対ENEOS

 レギュラーシーズンを2位で通過し、セミファイナルからの参戦となったデンソー。レギュラーシーズンでの1試合平均79.81得点は全14チームの中で1位となる数字で、失点でも1試合平均57.69点と、こちらも14チームの中で最小失点。レギュラーシーズンでは高い得点力と堅実なディフェンスを披露しました。

 そのチームにおいて柱となるのが髙田真希、馬瓜エブリン、赤穂ひまわりの日本代表トリオ。3人ともに体の強さもあるオールラウンダーで、大事なところでの得点やリバウンドなどで勝利に貢献します。外角シュートを得意とする篠原華実や落ち着いたプレーでオフェンスを組み立てる司令塔の木村亜美も健在。また、センターの赤穂さくら、シューティングガードの渡部友里奈と、シーズンを通して頼もしい働きを見せるバックアップ陣の存在も大きく、ほかにも本川紗奈生の要所を締めるプレーやハッスルプレーでチームを盛り立てる高橋未来と、選手個々が持ち味をいかんなく発揮しています。

 大混戦となった今シーズンのレギュラーシーズンを終えて「星は(いくつか)落としたけれど、リーグのレベルが上がっている中で上位4チームに入れたことはよかったです」と、馬瓜。加えて、プレーオフに向けては「あと少しのルーズボールやリバウンドを泥臭くものにすること」をポイントに挙げました。



 一方、クォーターファイナルでトヨタ紡織サンシャインラビッツに71ー58で勝利し、セミファイナルへと駒を進めたのがENEOS。トヨタ紡織との一戦では第1クォーターから先行する展開となり、終わってみれば渡嘉敷来夢、長岡萌映子、宮崎早織、鈴置彩夏の4名が2ケタ得点。特に渡嘉敷、長岡は苦しい時間帯での得点が光り、幾度となく良い流れをチームにもたらしていました。

 シーズン終盤にスターターの星杏璃がケガにより戦線離脱となりましたが、クォーターファイナルでも思い切りの良いシュートで得点を挙げた鈴置やスターターを務める三田七南に5年目の高田静らが奮闘。チームに活力を与えています。

「14年間ENEOSでプレーしていますが、毎年何かしらのタイトルを取っています」と語るのはリング下で圧倒的な存在感を放つだけでなく、アウトサイドのシュートも積極的に放つエースの渡嘉敷。「まずはデンソーに勝つこと。レギュラーシーズンは1勝1敗ですが、2連勝できたと思うので、課題を修正して今の勢いで勝ちに行きたいです。守りに入るのではなくて攻め続けます」と、セミファイナルに向けて力強く発しました。

 皇后杯は準優勝に終わっているだけに、今シーズンはまだ手にしていない優勝を目指し、前回覇者のENEOSはWリーグ連覇に挑みます。


―レギュラーシーズン1位の富士通に対するのは勢いのあるシャンソン

 23勝3敗という成績で17年ぶりにレギュラーシーズンを1位で終えた富士通。得点源は1試合平均得点で15.22点のジョシュア ンフォンノボン テミトペで、ルーキーではありますが、試合を重ねるごとにチームにフィットし、司令塔の町田瑠唯との絶妙な合わせのプレーから得点を重ねています。

 テミトペに続いて1試合平均13.73点をマークしているのがキャプテンの宮澤夕貴で、持ち味の3ポイントシュートだけでなく、ステップを駆使したシュートなど上手さがあり、ディフェンスでも中心を担います。そして今シーズンより加入した林咲希も3ポイントシュートはもとより、速攻など機動力を生かした攻めでチームを引っ張り、宮澤同様にディフェンスでの貢献度も高い選手です。ディフェンスに定評のある内尾聡菜がレギュラーシーズン最終週の2試合をコンディション不良により不出場となっているため、コンディション状況は気になるところ。ただ、赤木里帆、江良萌香、中村優花、藤本愛妃らが元気な姿を見せていて、何より、シーズン途中には一時ケガで戦線から離れていた町田瑠唯がレギュラーシーズン終盤に復帰。精神的支柱でもある司令塔が戻ったチームの状況は上向きといえるでしょう。

 1試合平均で8.46本とリーグ1位の3ポイントシュートを誇る富士通。「ここからが正念場。簡単なゲームは一つもないので気を引き締めてやっていきたいです」と、林も気持ちを新たにしています。



 対するシャンソンは、セミクォーターファイナルでアイシンウィングスに競り勝ち、クォーターファイナルではトヨタ自動車アンテロープスを接戦の末に破って勝ち上がってきたチーム。

 トヨタ自動車とのクォーターファイナルでは、前半から10〜15点前後のビハインドを負う展開となりましたが、第3クォーターを終えて5点差に詰めると、第4クォーターでは終盤に連続で3ポイントシュートが決まり、逆転勝ちを収めました。

 起点となるのは、トヨタ自動車戦で逆転の3ポイントシュートを沈めた吉田舞衣と吉田に続いて3ポイントシュートを決めてトドメを刺したキャプテンの小池遥。これまでチームを引っ張ってきた2人は強気のプレーが特長です。そしてインサイドでは新人ながらリバウンド、ブロックショット、フィールドゴール成功率と3つのタイトルを獲得したイゾジェ ウチェが君臨。トヨタ自動車戦でも22得点18リバウンドのダブルダブルを記録しました。また、ディフェンスなど数字に表れないところの貢献も大きい佐藤由璃果をはじめ、白崎みなみ、知名祐里、橋口樹らは与えられたプレータイムの中でしっかりと役割を果たしてチームを支えます。

「シャンソンのバスケットを40分間徹底してやり切りたいです」と、意気込むのはキャプテンの小池。勝負強さと勢いのあるシャンソンは、2008-09シーズン以来のファイナル進出を目指します。