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2010年5月20日(木)特集

空手で鍛えた強い体でプレイの幅を拡大中

高田 真希選手(デンソーアイリス)

高田 真希

今回のゲストはデンソーの高田真希選手です。ルーキーシーズンからスタメン出場。リバウンドやブロック、得点とあらゆる場面に絡み、落ち着きはらったプレイで堂々の新人王を獲得。1年目から日本代表にも選ばれ、チームの大黒柱となるべく邁進中の20歳のプレイヤーです。183㎝の長身と当たりの強さが魅力の高田選手に、3年目の抱負を聞きました。

——デンソーでは、ルーキー時代からスタメンとして出場していますが、自分の役割の中で課題にしていることはありますか。

デンソーでは得点よりはリバウンドと走ることを言われているので、それを意識してやっています。特にデンソーは一人のエースがやるというよりは、全員でやるチームなので、ディフェンスではヘルプに行ったり、ローテーションしたり、自分が見える位置ではしっかり声を出していきたいというのがあります。

——1年目から試合に出たり、日本代表に選ばれることは想像していましたか?

いえ、全然想像していなかったです。だからビックリしているんですけれど(苦笑)。日本代表でいい経験をさせてもらっているので、それをチームでも生かせるように頑張りたいと思います。

——昨年1年間の日本代表の活動で得たものは?

マッチアップする相手が自分より大きい選手なので、今までよりプレイの幅、バリエーションが増えたとは思っています。

——どんなプレイのバリエーションが増えましたか?

ドライブすることや、シュートエリアに関しても遠くから打つことを考えるようになりました。アジア選手権のあとにリーグでドライブを試してみたらできたので、プレイの幅が広がったことを実感しました。

——昨年(09年)12月の東アジア競技大会では、控えとしてあとから出てきてきっちり自分の仕事をしていました。3位決定戦の韓国ではその役割が果たせて、手ごたえがあったのでは?

ジョーンズカップに行ったとき(7月)はそんなに仕事はできなかったんですけれど、代表の練習をしていくうちにいい経験ができて、いざ試合になると、全部ではないけれど自分の力が出せるようになったと思います。少しずつですけど、仕事ができている実感はあります。

——以前は空手をやっていたと聞きましたが、上半身がたくましいのは、空手をしていた影響ですか?

そうだと思います。昔から体が大きかったですよ。バスケでやる筋トレがあんまり好きじゃないので、明らかに体が鍛えられたのはバスケより空手のおかげだと思います。

——空手とバスケは掛け持ちでやっていたのですか?  空手を始めた理由は?

空手は小4から中3までやっていて、バスケを始めたのは小5です。それからずっとバスケをやっています。空手を始めたのは、うちの親が自分の身は自分で守るようにと、護身のために勧めてくれました。ちょうど道場が自分の家の斜めにできたので通いやすいというのがあったので。高校で桜花学園に行くことが決まったので、空手は中学で辞めました。

——高校で空手をやる選択肢はあったのですか?

いえ、中学からはバスケ優先でしたね。空手はバスケの部活のあとに週に2〜3回やる程度で、部活優先だったので。空手の出る大会には全部勝っていたのですが、バスケのほうが楽しかったです。

——「出る大会に全部勝っていた」というのはすごいことですよね。どんな大会で勝ったのですか?

空手は流派がいろいろあるので。完全な全国大会ではないのですが、私の出た「オールジャパン」という全国大会では小5から中2まで4連覇しています。

——すごいですね! そこまでの腕前で空手を蹴ることに未練はなかったのですか?

なかったですね。

——空手をやって役立ったことはありますか?

バスケットで体が強いと言われることと、ゴール下でぶつかり合いを嫌がる人がいるけれど、自分はガンガン当たっても嫌じゃないので、そういう意味では良かったと思います。

——最後に今年1年間のデンソーと日本代表での目標を聞かせてください。

昨シーズンは惜しい試合がたくさんありました。相手より気持ちの面で下だったのかなと思います。リーグが始まれば技術面のことより、気持ちで負けないようになることだと思います。ひとつのルーズボールでもあきらめちゃうこともあったので、そういう面で相手より上回りたいと思います。日本代表では、まずはメンバーに残らないといけないので、練習から大事にして切磋琢磨していきたいです。

質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●試合前に必ずすることや、ジンクスはありますか?

ジンクス…。何だろう…? EXILE(エグザイル)が好きなので、大事な試合前にはいつもEXILEの曲を聴いています。特にダイヤモンドという歌が好きで、「必ず叶うというその強い意志だけが持つ果てしないパワー。今夢を実現させる仲間がいるからこの喜びもずっと分かち合える…」というところが好きで、仲間を信じて試合に向かっていこう! という気持ちになれるので、試合前は必ず聴いていますね。

●バスケをしていなければ、何の職業に就いていましたか?

空手をやっていたので、多分、空手を続けていたと思います。けど、空手が職業になるのかどうか、よくわからないんですが…(笑)

●落ち込んだときはどうやって立ち直りますか?

寝ます(笑)。寝て起きたら気持ちが切り替わっています。悩んだりしたときはあまり深く考えず、次の日には切り替えて、いいほうに持っていこうとします。基本的にはあまり深く考えないタイプだと思います。

●練習が終わったあとや休みの日に何をしていますか? 好きな時間は?

空いた時間はテレビをよく見ています。お笑いが好きで、誰が好きというのは特にないけれど、バラエティ番組が好きでよく見ています。それからスポーツ観戦も好きですね。デンソーにソフト部とバレー部があるので応援に行ったり、テレビでプロ野球観戦をするのも好きです。スポーツは何でも好きで、テレビでやっていたらだいたい見ていますね。

●コートネーム「リツ」の由来を教えてください。

「リバウンドを強く取る」が由来で、リバウンドの「リ」と、つよくの「ツ」で「リツ」です(笑)。デンソーに入ったときに先輩につけてもらいました。先輩がいくつか考えてくれた中で自分が気に入ったものを選びました。桜花では「空高くリバウンドを取れ」の「空」から「クウ」というコートネームでした。リバウンド関係が多いですね(笑)

インタビュー&構成/小永吉陽子