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2005年2月16日(水)特集

仕事と地元貢献に充実の毎日バスケはもっと上達したい!

廣田 裕美選手(荏原 エバラヴィッキーズ)

廣田 裕美

今回のゲストは成長著しい荏原のキャプテン、廣田裕美選手。山口県出身、岩国ミニバス、岩国中、三田尻女高(現誠英高)と、バスケットの盛んなチームで鍛えられ、三田尻女高3年次には、インターハイとウインターカップでベスト4という高成績を収めています。広島銀行入社後は2年目で全試合にスタメンで出場するものの、廃部という憂き目に。荏原移籍後は持ち前のガッツで中心選手として活躍するまでに成長を遂げています。「笑顔がチャームポイント」と坂根ヘッドコーチが信頼する若きキャプテンの素顔に迫りました。

——リーグも最終戦を残すのみとなりました。ここまで戦った手応えはどうですか?

シーズンに入る前は「優勝目指して頑張ろう」と言ってたんですけど、シーズン入ってからは、他のチームも頑張っていたし、自分たちも負けてはいけない試合を落としました。でも自分たちは「絶対に負けたくない!」という気持ちの中で戦いました。もう優勝ということはできないですけど、これからも勝ちにこだわってやっていこうと思っています。

——昨シーズンの1勝11敗から、今シーズンは5勝6敗(2月6日現在)と勝ち星がアップ。どんな点が成長したと思いますか?

昨シーズンは途中でヘッドコーチが変わったりして、チームがまとまらなかったんですが、今年は坂根さん(ヘッドコーチ)のもと、チームがまとまることができました。シーズン前からウエイトトレーニングの量をアップし、練習でも実践的なことが増えたし、そのことによって力がついてきたのかなと思います。

——仕事との両立が大変だと思いますが、1日のスケジュールを教えてください。

仕事はシーズン中もオフの時も朝8時から午後4時半まで。そのあと、シーズン中は夕方6時から夜8〜9時くらいまで練習です。オフの時は仕事のあとは自主練になります。また、オフ期間に帰省をしたり、休む時は自分の有給を使って休むことになります。2月末から4月までのオフは自主トレ期間で、シーズンインまでにベストの状態にしておきます。今年うまくいったのは、みんながオフの自主練をきちんとやったからだと思います。

——毎日、かなりハードスケジュールですね。

慣れればそんなことはないんですけど。前(広島銀行)は午前中だけの仕事だったので、今の夜遅くにご飯食べて、夜遅くに帰って、また朝早く起きて…という生活のリズムをつかむまでが大変でした。今はもう慣れました。自分の時間はあまりないですけど(苦笑)

——仕事とバスケの両立がハードと分かっていても、移籍先に荏原を選んだ理由は?

いや、それはけっこう甘く見ていました(笑)。実際に荏原に入ってみて「あ、これはシンドイ!」って(笑)。荏原を選んだ理由は…実は私は広銀で(バスケを)辞めようと思っていたんですけど、納得がいく終わり方ができなかったんです。最後に元々あった腰の痛みが悪化して、思うようなプレイができなくて「このままじゃ終われない」と思ったんです。その時に話をいただいていた中に荏原もあって、荏原には自分から「お願いします」と頼みました。荏原はその時は最下位だったんですけど、試合に負けてようが、勝ってようが、どんな時もみんな楽しそうにやっているチームだなと感じて。ここなら馴染みやすいというか、私にもやっていけるんじゃないかなと思いました。

——広銀を辞めようと思った時はまだ20歳。引退が早すぎるとは思わなかったのですか?

周りからもそう言われたし、広銀にずっといれば自分が最年長になるまでやっていたのは確実だったと思うんですが、小学校1年からバスケやっているから、もう辞めてもいいんじゃないかなと。それに、他の土地に行って一から馴染めるかという不安もあったし、実家が山口なのであんまり離れたくないというのもあって、辞めてもいいかなと。今はそんなことは思ってないですよ。

——今年、移籍して2年目で早くもキャプテンになりました。

全然まとめたりしてないんですよ。逆に若い私がキャプテンだから上の先輩たちがすごくしっかりしているというか、私たちもしっかりしなきゃいけないと思っているかもしれないです。私自身は練習中に注意しなきゃとか、言わなきゃと思うんですけど、自分ができてないから言えないというのがあります。キャプテンは難しい部分もあり、ずっと勉強しているという感じです。だから、どんな時も声を出してやっていこうと思っています。

——自分のプレイの持ち味、アピールするところはどんなところですか。

持ち味というか好きなのが、ルーズボールとか、自分より背が高い人がそばにいるのに取ったリバウンドとか、誰のものでもないボールを取るのが好きです。取れた時はすごくうれしくて楽しくて。あとは点を取ることが仕事なので、まだまだ上達したいです。


質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●休日に出没するところはどこですか?

どこにも出没しません(笑)。ずっと部屋でゴロゴロしています。行くとしたらTSUTAYAぐらい(笑)。寮で一緒の部屋の戸部さんが料理が得意なので一緒にやったりもします。自分が東京に住むなんて考えられなかったし、東京の街は人がいっぱいなので、あまり出たくないです。

●Wリーグで仲がいい選手は誰ですか?
 
荏原なら部屋が一緒の戸部さん。他のチームならデンソーの山内さん。広銀の時から仲良くて、今でもメールしたりしています。


●廣田選手にとって、ライバル、憧れの選手はいますか?

ライバルと呼べるか分かりませんが、甲府の柘植選手とやり合うのが楽しいです。向こうはディフェンス粘り強いし、こっちも負けないつもりでやっているし、お互い何も言わないけれど、きっと闘志を燃やしてやっていると思います。試合が終われば「今日はそっちが勝ったね」とかお互い言ってます。憧れているのは5歳年上のお姉ちゃん(朋美さん、元三菱電機コアラーズ・マネジャー)。お姉ちゃんは私がバスケを始めるきっかけになった人で、シュートがすごい上手だったので「お姉ちゃんみたいになうまくなりたい!お姉ちゃんを越したい!」と思ってここまでやってきました。

●三田尻女高で学んだことは何ですか?

高校ではバスケットをすごく学んだのはもちろんなんですが、人を思いやる心とか、生活面で礼儀を正しくすることを学びました。それがバスケにもつながると、卒業してつくづく思いますね。今でもよく思い出すのが「相手にパスする時はシュートを打ちやすいように思いやりのあるパスを」ということ。シュートを入れたのはその人だけど、その人にボールがいくまでの課程があって、その課程で貢献できる人がいいプレイヤーだと教わりました。パスが下手なので、いつも教訓にしています。

●将来の夢は何ですか?

とりあえず、バスケにはずっとかかわっていきたいです。今、荏原では地元に貢献ということでミニバスの選手にクリニックをしたり、大田区の小学校で授業の一貫としてバスケを教えています。すごく楽しいです。やっぱり小学生ってバスケをするうえで土台になる大切な時なので、クリニックとかで手助けができたらいいなと思います。

それと…私、ダンスが好きなんですよ。ブレイクダンスとか音楽聴きながら踊ったりすることが。これから特技にしたいというか、将来的にもダンスを続けたいと思っているんです。ダンスを習えるジムが近くの目黒にあるらしいので、本格的に始めようかと。まだ目黒には行ったことがないんですけどね(笑)

構成/小永吉陽子