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2005年2月1日(火)特集

自分の武器である高さとリバウンドでアピールするしかない!

山田 久美子選手(日立ハイテクノロジーズ スクァレルズ)

山田 久美子

192㎝の長身を生かしてリバウンドをもぎ取る日立HTの山田久美子選手が今回のゲスト。山田選手は意に反して、子どもの頃から身長の高さを見込まれてバスケットの道に入った選手。中学時代には福岡代表として全中オールスターで優勝し、桜花学園高の同期・三木選手とともにJOC強化選手に選出。高校でも全国優勝を果たすなど、スター街道を走ってきました。しかし、アトランタ、アテネ五輪当時には、代表選手から落選してしまったことに、日の丸をつけて活躍したいという目標を持っています。日本代表選出のためのカギは? 現在低迷しているチーム浮上のきっかけは? そのあたりに迫ってみました。

——リーグも終盤戦。ここまで苦戦していますが、戦いぶりをどう感じていますか。

勝てないですよね…。自分自身は、一試合一試合、自分が最低でもやらなきゃいけない仕事を平均してやれなかったと思っています。いい時も悪い時もあったり、いつも同じペースを保てなくて、自分が頑張らなきゃいけない時に、チームに貢献できなかった感じです。

——自分が最低限やらなきゃいけない仕事とは?

やっぱり、最低限はリバウンド。本数的にも去年と比べて少ない気がするし。でも、五十美(林)とか、磯山とかがリバウンド頑張ってくれている分、自分の負担が減っているのも確かで、それでも自分が最低限、取らなきゃなけないノルマが達成できてない。

——チームとしては、どんなところが反省点としてあげられていますか?

チームとしては、去年よりは選手同士で話し合ったり、意見交換する機会が増えていて、雰囲気は去年よりはすごくいいんですよ。移籍してきた子たちは強いチームでやってきているから、理解力も早いし苦労はしてないんですけど。やっぱりどうしても、梅嵜さん(ヘッドコーチ)が(アテネ五輪に出場したため)いない期間が長かったので、日立ハイテクとしてのチームが仕上がってないというか。それは私が言うことじゃないかもしれないですけど…。チームの力的には全然落ちてなくて、まとまりがないわけじゃないんだけど、ちょっとしたことで崩れるし、修正するのに時間がかかっています。

——そんな中で、チームの中で上級生になりましたが、率先する気持ちは出てきましたか?

全然…ですね(苦笑)。率先してやっていかなきゃならないんですけど、元々そういうタイプじゃないというか、思ったことを口に出すタイプじゃないから…。あとは五十美がしっかりしているから、頼りきっています。普通は厳しいことを言うのはイヤじゃないですか。嫌われ役じゃないけど、厳しいことを言うほうもツライだろうし。でも、五十美はそれをやってくれます。五十美には甘えっぱなしで。そんなことではいけないんですけどね。

——反省の話が続きましたが、日立ハイテクノロジーズのいいところは?

みんな仲がいいです。雰囲気もいいし。バスケットに一生懸命取り組んでいる子が集まったかんじです。みんなバスケが一番だと思っています。

——今後の自分自身の目標を聞かせてもらえますか。

今シーズンは結果を見てみると上位進出は無理な結果になってるんですけど、毎年、ベスト4というのはチームが達成したい目標です。個人的な目標は…そうですね、ずっと“ここ”という時にナショナルに選ばれてないんですよね。アジア大会だとか、そういう大会まではいってるんだけど、ナショナルとして重要な試合が絡んでいる時は落とされているので。目標としては、プレイスタイルも全然違うし、マネもできないから名前を挙げるのは失礼かもしれないですけど…マック(浜口典子/元JOMO)さんみたいな、信頼があって頼れるセンターになれればと思っています。

——オリンピック代表の落選に関しては、自分には何が足りないと感じていますか?

私は運動神経もないし、何か器用にできるかっていったら、特に何もできないんですよね。結構マイナス思考でネガティブなんで、落とされたショックから切り替える時間はかかるんですけど、「何で自分が落とされたか」ということは考えます。落選した時に「日本は高さより速さが必要だから」と聞いたことがあります。確かに日本の武器としては速さだから、それを日本のバスケとして求められているんだったら、あきらめたくないけど、自分はどうなのかなあって思っちゃいますね。でも、その中で自分ができることといったらリバウンドしかないから。マイナスの部分をどこで補うかといったら、リバウンドです。

——山田選手の持ち味の高さとリバウンドは日本に足りない部分でもあります。頑張ってくださいね。

ありがとうございます。とにかく持ち味のリバウンドで頑張っていくしかないです。

質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●山田選手は子どもの頃から身長が高かったのですか? またバスケットを始めたきっかけは?

バスケットを始めたのは小5でその時に175㎝を超えていました。小学校の先生が熱心で、低学年の頃からミニバスに誘われていたんですけど、やりたくないから逃げていました(笑)。それで一度やってみてイヤだったら辞めればいいやと思って、小5の時に入ったんです。やっぱりイヤだったから辞めようと思ったけど、入ったら最後で辞められませんでした(笑)。もともと運動するのが嫌いでピアノを習っていました。突き指するのが怖かったし、将来はピアノの先生になりたかったので、中学校までは何とかピアノを続けていました。今思うと、あんなにやりたくなかったバスケを続けているから不思議です(笑)

●他のチームのセンタープレイヤーで意識されている方は、いらっしゃいますか?

みんなそれぞれプレイスタイルが違うのでライバルという感じで見てはいませんが、特にシャンソンの河選手は自分より大きいので負けたくないです。

●WJBLのプログラムには「お笑い」「突っ込み」「ボーっとする」のが好きと書いてあります。ご自身はどんな性格ですか?

人と話す時はは突っ込まずにいられないんです。特に五十美は突っ込みがいがあります(笑)。一人でいる時はボーッとしています。何をするわけでもなく、時間の流れを感じないで過ごすのが好きです。自分自身の性格は…すっごくネガティブ(苦笑)。自分には突っ込めないんです(笑)

●桜花学園高時代はそうそうたるメンバーが同期でしたが、どんなことを学びましたか?

そうですね。三木(聖美、シャンソン)、温子(渡邉、シャンソン)、五十美(林、日立HT)、平手(美樹、デンソー)他いっぱいいました。一番学んだのは…勝ち続けることの難しさかな。名短(桜花学園)は確かにうまい人が集まっていて、連続優勝したりして「そりゃ選手を集めているからだろう」と言われましたが、でもうちらは本当に目標に向かって頑張って練習したんです。それを維持し続けることは本当に大変でした。特に私は何もないゼロから井上(眞一、ヘッドコーチ)先生に教わったので。本当に感謝しています。

●これまでで思い出のゲームを教えてください。

忘れられないのは、高3になる春休みにあったアジアジュニア選手権。予選リーグで中国に再延長で勝った試合。残り何秒かで逆転しました。今、その時のビデオを見ても本当に下手クソなんですけど、自分なりに貢献できて、井上先生に「よくやった」と褒めてもらってすごーく嬉しかったんです。自分は準決勝で膝の靱帯を切ってしまって決勝には出られなかったんですが、世界ジュニア選手権の切符を取れて、思い出の大会です。

構成/小永吉陽子