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2013年6月7日(金)特集

走って、動いて、打ったJXの若きシューター意欲的な姿勢でこれからもチャレンジ!

岡本 彩也花選手(JXサンフラワーズ)

岡本 彩也花

今回のゲストはJX-ENEOSの岡本彩也花選手。3年目となる2012-13シーズンに初のスタメンを務め、JXの5連覇に貢献。猪子石中で全国ベスト4、桜花学園高時代は3年間で「5冠」を獲得。U18アジア選手権では優勝したキャリアを持ち、若きシューターとして期待される存在です。3ポイント成功率1位(43.02%)、得点4位(15.91点)と結果を残し、飛躍的な成長を遂げた2012-13シーズンを振り返ってもらい、今後の課題を語ってもらいました。インタビューから見えた岡本選手の素顔は、自分をよく分析し、快活に答える前向きな姿。そのポジティプな姿勢に、今後の飛躍が見えたインタビューでした。

——スタメンとしてはじめて優勝に貢献したシーズン。改めて振り返ってみて、どんなシーズンでしたか。

いちばんに言えるのは自分のプレイに自信がついたことです。周りの人に「成長したね」と言われたのがすごくうれしくて、少しはうまくなったのかなと、自信が持てるようになりました。自分では毎日毎日練習をしているから、どこがどううまくなったのかわからなかったのですが、ゲームに出て通用するプレイができたことで、自信が出てきたところです。

——シーズン前とスタメンを務めて優勝を遂げたシーズン後では、どのような面で違いを感じますか。

いやー全然違います。去年はまったく試合に出ていなかったので、どうしてもモチベーションの上げ方がわかりませんでした。途中から試合に出たとしても気持ちの上げ方がわからなくて、試合に出るのが怖かったり、自信がなかったり、挫折しそうなこともあったんです。シーズン前に「スタメンで使うよ」と言われてから、本気で頑張ろうと思ってモチベーションが上がってきました。そこからですね、自分の気持ちが変わったのは。

——プレイタイムを獲得する前は目標が見えなかったということですか?

はい。試合の途中から出ていたときは、少ない時間の中で自分の力を出すのが難しかったです。何か残さなきゃいけない、何か残さなきゃいけない、という焦りがありました。試合に出られるようになってから、チームの決まり事を自分で意識しながらやれるようになって、視野が広がってきました。でもまだまだ波があるので、もっと強いメンタルを持てるようになりたいし、もっと周りを見られるようにしたいです。

——田中利佳選手が引退したあと“シューター岡本彩也花”はJXにとって必要不可欠なポジション。スパッと決まる3ポイントは、スピードある展開の中で効果的に決まりました。どんなことを心掛けながら3ポイントを打っていましたか?

自分では…とてもレン(田中利佳)さんとは比べることはできません。インサイドの選手がリバウンドを取ってくれたり、インサイドにボールを入れてディフェンスが寄ってくれたり、ガードにいいタイミングを作ってもらい、そこにいいパスがきたから打てたという感じです。

——それでも、走り回ってチャンスを作る運動量は目立っていました。

そうですね。自分では結構、動いていたと思います。まず、ディフェンスは前から激しく当たって、オフェンスは走ってチャンスを作って、どんどんレイアップやスリーを狙うのを意識していました。それを毎日練習で意識してきたので試合に出るようになりました。

うちのガード3人(大神雄子、吉田亜沙美、岡本)は前からすごく当たってディフェンスするし、センターも走るし、走り出すと止まらないですよね。だから私も走らなきゃ、と思うんです。本当によく走ったシーズンでした。

——走るスタイルが徹底できた一方で、韓国で開催された「アジアWリーグチャンピオンシップ(日本、中国、韓国、チャイニーズ・タイペイのクラブチャンピオンが集結し、アジア優勝を争う大会)」では、厳しく守られると攻め手を欠くこともありました。ビッグゲームから見えた課題は何ですか?

自分のことでいえば、体の当たり強さの面で通用しなかったです。自分のいちばん弱いところが出ました。高さで勝てないなら技術でカバーしなきゃいけないし、スピードももっともっとつけないといけないし、身長の高い選手につくのも経験が足りないし、ちょっと厳しく当たられると対応できないなと痛感しました。ディフェンス、オフェンス、当たりの強さ、高さ……そうなると、ほぼ全部が課題でした。

でも、勝ち負けもそうですが、こういう国際大会から学べたことが自分はよかったというか、大事だったと思います。本当に自分はまだまだだと思うことができたので。

——高校時代はポイントガードでしたが、今はシューティングガード。JXに入ってからは何を武器に戦おうと思っていたのですか。

JXに入ったときはポイントガードをやるものだと思ってました。1年目の最初だけ1番をやりましたが、それからはずっと2番をやっています。でも高校の時も自分は点を取るのが好きだったので、どっちかといえば2番のほうが好きですね。だから今は点を取ることと、ディフェンスを厳しくすることを心掛けています。でも、自分の身長を考えれば、吉田(亜沙美)さんのあとを継いでポイントガードの勉強をしたいし、1番も2番も両方できるガードになりたいです。

——今年、はじめて日本代表候補にも選出され、合宿に参加しました。手応えはどうでしたか。

まだまだだなあ…と思いました。日本代表に来ると、スピードもシュート力も体の強さもまだまだだなあと。何て言ったらいいんだろう……すべてが勉強でした。いちばんは高さ(の差)を感じました。ここに来てはじめて身長が欲しいと思いました。

——先ほどAWCの体験で語っていたように、自分より高いレベルの選手と対戦し、自分の身長でできることは何かと考えながらプレイすることで、はじめて対応力が身についてきますよね。

はい。だから、まだまだだなあと。高さのことは今さら言ってもしょうがないので、もっと経験を積んで、技術をつけるしかないと思っています。スピードももっとつけられると思っています。日本代表や国際試合でそのことに気づけたのが、自分では本当によかったと思うんです。日中韓台の国際試合や日本代表では結果を出すというよりは挑戦だったので、そこで学んだことを、次のシーズンに生かしていきたいと思います。


質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)


●試合前に必ずすることは何ですか。

BIGBANG(ビッグバン)を聴くこと!試合前には好きな歌とか、洋楽をよく聴きますが、テンション上げるときは必ずBIGBANGですね。試合前に聴く曲は決めていて、BIGBANGのG-DRAGON(ジードラゴン)が歌う「THIS LOVE」は絶対といっていいほど聴きます。会場に着く前はBIGBANGの曲で終わるって決めてるんです。BIGBANGにこだわってます!(笑)

●休日の出没スポットはどこですか?

自分はけっこうアクティブなほうなので出掛けることが多いです。柏……ではなくて、新宿によく行きます(笑)。新宿だったらどこに何があるかわかっているし、自分の好きな服屋さんが新宿に揃っているんです。けっこう買い物時間が長くて、ポンポン買うほうなので、一人で行くことも多いです。たまに、よく寝ているときもありますけど(笑)

●憧れの選手は誰ですか。男女、国籍問わず、いたら教えてください。

中学生の頃から田臥勇太(リンク栃木ブレックス)さんがずっと好きでした。田臥さんの高校時代(能代工業高)のビデオを持っていて、毎日毎日、欠かさずに見ていました。小さいのにスピードで切っていって鋭いパスとか、シュートとか、そういうのが魅力的すぎて、田臥さんしか見ていないくらい好きです(笑)。こんなふうになりたいなあって思いながら見ていました。まだ一回も会ったことがないので、いつか会ってみたいです。

女子だったら、自分もいつかは1番をやらなきゃいけないと思うので、リュウさん(吉田)が目標です。新人の頃から練習でマッチアップしていたので、どれだけすごい人かわかっているし、憧れです。田臥さんもリュウさんも2人とも似てますよね。自分は男っぽい動きの人が好きなのかな(笑)

●岡本選手にとって、桜花学園高校からの同級生、渡嘉敷来夢選手はどんな存在ですか。

友達より以上…家族のような、姉妹のような存在です。結構、自分は弱いところは他の人には見せないんですよ。けど、タク(渡嘉敷)には見せるんです。自分の弱いところはタクにしか見せられないというか、プライベートなことも何でも言うし、バスケの悩みも聞いてもらうし、ダメなことはダメって言い合えますね。高校の時からタクが先に日本代表に入って、自分はいつも追いかける側だったので、今はタクに追いつくことを目指しています。タクも「自分、待ってるから上がってこいよー」みたいな感じでいつも励ましてくれます。タクは自分よりも、自分のことをわかっているような気がしますね。友達…ではないですね。それ以上。タクは特別な人です。

●3ポイントシュートを思い切りよく打つ秘訣は?

それは、ずっと練習してきたので、自信というか、自分が決めるという気持ちで打っているので、やっぱり自信ですかね。試合では結果を出さないといけないので、コートでは今までやってきたことを全部出そうと思ってやっています。あと、思い切りがいいのは、インサイドにリバウンドを取ってくれる人がいて、パスをくれる人もいるので、思い切り打てるんだと思います。自分はシュートリリースが遅かったんですよ。でもWJBLに入って、背が高い選手を相手にするとそれでは通用しないので、1年目にリリースを速くする練習をしました。これからは、もっと速いリリースで打つために練習します。ジャンプシュートの勢いで3ポイントを打ちたいです。


インタビュー&構成/小永吉陽子