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2011年3月4日(金)特集

次世代のエースが語るJALラビッツへの思い

高橋 礼華選手(日本航空 JALラビッツ)

高橋 礼華

今回のゲストは日本航空JALラビッツの高橋礼華選手。ルーキー時代から跳躍力を生かしたブロックショットやリバウンドで頭角を現し、2年目にはブロックショット王を獲得。日本代表選手としてもアジア選手権、世界選手権等を経験。今後の一層の飛躍が期待できる若手プレイヤーです。高橋選手にこれからの課題と目標、そして、今シーズン限りの活動となった「日本航空JALラビッツ」の一員として、4シーズン戦った思いを聞きました。

——シーズンが終了しましたが、振り返ってみて自分の出来、チームの出来はどうでしたか。

自分ではもう少しできるんじゃないか、と思いながらプレイしていました。まだ気持ちとプレイが噛み合っていない部分があります。チームとしては、プレイオフに出られなくなってからも声を出し合っていてムード良くプレイができて、最後まで頑張れたと思います。

——今シーズン、トライしていたことは何ですか。またそれはどの程度、達成できましたか。収穫と課題を教えてください。

今シーズンは、リーグの中で今までよりもインサイドの選手が増えてきたと思うんです。その中でラビッツは小さいチームなので、インサイドに対する戦い方がカギでした。特に自分に言えることなんですけど、4番(PF)で試合に出ているので、逆にミスマッチを生かすプレイに挑戦していたし、リバウンドでは負けたくないと思ってやっていました。

シーズンの前にナショナルチームに行かせてもらいましたけど、私はナショナルでは3番(SF)なんですね。だからここ数年はアウトサイドシュートやドライブが自分の課題としてあるのですが、今シーズンはラビッツに戻っても3番のプレイを生かせることが少しできたと思います。課題は絶対的にアウトサイドのシュート力と外からのドライブが今の自分には足りないということです。ドライブで自分が決め切らなくても、そこからアシストすることもできるので、まずはリングに向かって外から攻めていくことを積極的にやりたいと思います。

——日本代表として世界選手権に初出場しました。ここで感じたこと、得たものは何でしたか?

いっぱいありました。まず、本当にすごい大会だったということ。自分のアンダーカテゴリーの世界選手権(U-19世界選手権)の時もすごいと思ったんですが、規模が違いました。自分と同じくらいの身長でもオールラウンドにプレイをする人がいて、本当にすごいなと思いました。

自分としては、なかなか出場時間をもらえなくてすごく悔しかったのですが、出た時には「自分は何ができるのか」を常に考えていました。短い時間で貢献するには、自分はまずリバウンドを意識していました。出場時間は自分で勝ち取るものなので、練習やリーグからアピールしていきたいと思います。

——今シーズンは、「日本航空JALラビッツとして最後の年」という通達があった中でプレイしたわけですが、どのような気持ちでシーズンに臨んでいたのでしょうか。

シーズンが始まる前に「今シーズン限り」と聞いて、やっぱりどこかで覚悟していた部分はあったんですけれど、まさか本当にチームがなくなるとは思ってなかったので、正直ビックリしました。これからどうなっちゃうのかな…というのが自分の中ではありました。ラビッツとしては最後のシーズンなので、一戦一戦、大事に戦っていこうという気持ちがあったし、プレイオフに行きたいという気持ちで常にやっていました。チームの譲渡先が新潟に決まったという情報はチェコにいたとき(9月の世界選手権時)に電話で聞いたのですが、とにかく、新しいチームのことを考えるより、今はプレイできる場があるのだから、ラビッツとしてチーム全員で今シーズンを一生懸命戦うことだけ考えてやっていました。

——入団して4年間、JALラビッツで戦ったわけですが、学んだことは何でしょうか。

たくさんあります。入ったときにビックリしたのがスクリーンプレイです。ラビッツはスクリーンからのコンビネーションプレイが特徴なので、パスにしろ、動きにしろ、一つ一つのプレイの精度を高めていかなくてはならないので、その動きを理解するのに時間がかかりました。スクリーンプレイはこれからもバスケットボールをやっていく中で重要になってくるので、ラビッツで学んだことは生かせると思います。

それから、カナさん(矢代直美)、ユミさん(岩村裕美)や先輩たちに随分と助けられました。2人はチームが苦しい時や波に乗れない時はいつも声を出しているんですよ。私ができないことがあると、カナさんはよく相談に乗ってくれました。そういう先輩たちのチームに対する気遣いも学びました。

——シーズン最終戦(アイシンAW戦)ではその2人がチームを盛り上げているのが印象的でした。チームとしてはどんな思いで最終戦に臨んだのでしょうか。

本当にもう、ラビッツらしく戦おうということだけでした。試合前はピリピリするのかなと思ったんですが、カナさんやユミさんが笑顔で声を出して練習を盛り上げてくれたので、自分としてはやりやすくて、ついていくだけでした。私は、1戦目は調子が悪かったんですが、このいいムードを途切れさせないようにと思って、2戦目はとにかくディフェンスとリバウンドを心がけてやって、何とかチームに貢献できたと思います。そういう意味でも先輩たちのプレイは本当に心強かったです。

——最後に今後のことについて聞きたいのですが、今はどんな心境で新しい環境でプレイしたいと考えていますか。

まだシーズンが終わったばかりで気持ちが整理できていないので、これからゆっくりと考えたいと思います。本当はもう考えなくてはいけないのですが……。今はただ、ラビッツとして、いいチームメイトと最高の終わり方ができて良かったなと思うだけです。ラビッツでプレイができて本当によかったです。今までラビッツの応援ありがとうございました。今後もよろしくお願いいたします。

質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●一日のスケジュールを教えてください。

朝7時前に起きて、朝ごはんを食べて、バスで体育館に行って、9時半から12時まで練習をします。午前の練習が終わると昼食を食べて、休憩をしたり、昼寝をしたりして、3時から5時半まで午後の練習をします。練習が終わると電車(電車で2駅)に乗って社宅に帰り、夕飯を食べて、それからはのんびりしていますね。部屋では何しているかな…。だいたい、テレビをつけて、音楽を聴いて、パソコンをいじって、リラックスしていますね。

●Wリーグで仲のいい選手、憧れの選手はいますか?

仲がいいのは…高田(真希、デンソー)かな。高田とは、まったく好きなものがかぶらないんだけど、仲がいいです。高田のほうが一つ下なのに、ナショナルチームでは私がいじられていますね(笑)。憧れているのは、同じ福島出身で、小さいころから名前を聞いてきた萩原美樹子さんです。福島の国体記念体育館に「萩原美樹子コーナー」があって、おーさん(萩原さんの愛称)の過去の経歴とかパネルがあって、よく見てました。ずっとおーさんの名前を聞いて育ったので、ナショナルトレーニングセンターで会ったときは「おっ!」と思いました。萩原さんを目指すなら、点を取らないといけないと思っています。

●高橋選手はセンターではないですが、リバウンドを取るタイミングが抜群にうまい。リバウンドを取るためのコツや、心がけていることがあったら教えてください。

リバウンドはポジショニングとタイミングだと思うんです。リバウンドが取れるポジションというのがあるのですが、小さい選手なら、いかにそこに早く入れるかだと思います。タイミングではボールの軌道をよく見て、早く跳ぶこと。自分ではボールをタップして取るのが得意で、一度弾いて自分のほうに持ってきて、ボールを取る感じでやっています。あまり考えてリバウンドを取っているわけではなくて、体が自然に動いている気がします。

●遠征の必需品は何ですか?

遠征だけではないんですが、ハンドクリームは欠かさずに持っています。極度の乾燥肌で、粉をふいたり、ひび割れたりしちゃうんですよ。冬は特に痛くなってしまうので、最近はロクシタンのハンドクリームをいつも塗っています。

●これだけは欠かせない高橋選手の「好きなもの」を教えてください。

ロイズの生チョコ。ロイズは新製品が出たらチェックしていて、全種類制覇したいと思っています。好きになった理由は、高校の時に親が北海道のお土産で買ってきてくれて、そのおいしさに衝撃を受けました。チョコは全般好きですが、ホワイトチョコとビターだけ苦手です。それ以外は本当に大好きですね。

インタビュー&構成/小永吉陽子