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2007年9月30日(日)特集

度胸満点!アイシンAWの若き司令塔

鈴木 成津子選手(アイシン・エィ・ダブリュ ウィングス)

鈴木 成津子

豊里中時代、「一試合100点を取った選手がいる!」と、中学界で話題沸騰だったのが鈴木成津子選手。中3の茨城県中体連大会地区予選で記録したもので、正確には3Pシュート19本含む101点をマークして周囲の度肝を抜いた。得点力とスピードを買われて入学した名門・桜花学園高では、インターハイ優勝に貢献。誰よりも速いスピードと3Pシュート力が金ヘッドコーチの目に止まり、高校卒業後にアイシン・エィ・ダブリュ入り。ルーキーシーズンよりスタメンを務め、度胸満点のプレイを披露している伸び盛りの司令塔だ。そんな注目の若手ガードの素顔に迫った。

——基本的なことからお聞きします。「Wリーグでプレイしたい」と考えるようになったのはいつ頃からで、アイシンAWに入社を決めた理由は何ですか?

高校時代からWリーグでプレイしたいと思ってたんですけれど、(身長が)小さいから無理だろうなぁというのがありました。大学に行こうかと漠然と考えていたんですが、高3のインターハイ後にアイシンAWさんに声をかけてもらいました。「もっと上でやってみたい!」と思いだした時に声をかけてもらったので、すぐに決めました。声をかけてくれるところがあると思ってなかったので、すごく嬉しかったですね。アイシンAWにはイツさん(島田智佐子)とヨシさん(慶山真弓)という経験ある素晴らしい選手が活躍していたのも決め手でした。

——「背が小さいから通用しない」と思っていたとのことですが、Wリーグには160㎝くらいでも活躍している選手もいます。そういう選手の存在を目標にしたり、励みにしたりしなかったのですか?

そうなんですよね。三菱の安谷屋(陽子、現教員)さんとか、橋本(和子)さんは、身長は大きくないけれど輝くものがあったし、自分にも何かそういうものがあればやれるのかなと思いました。けれど、高校の時は自分に何ができるのか、わからなかったです。

——実際にWリーグに入ってからの2年間で、輝く自分の武器を見つけられましたか? 

なんだろう。スピードだけは通用すると思いますが…。

——1年目からすぐにスタメンに抜擢されました。金ヘッドコーチに要求されていることは何ですか?

チャンスがあれば3Pを打つことと、トランジションの中でディフェンスでボールを取って、チャンスだったらドリブルで切ってレイアップにいくこと。金さんは「何も気にせずに好きにやれ」と1年目から言ってくれたんです。

——金ヘッドコーチはこれまで名ガードを育ててきた指導者です。金ヘッドコーチの指導で影響を受けたことは何ですか?

金さんからは「小さくてもできる」ということを教わりました。今も教わってる最中ですけど。最初にシュートフォームを直してもらったのと、あとは、スピードでドリブルを低く、速くということを言われています。とにかくその2つです。いつも「お前は小さいからできないのか!」と言われるんですけど、それが悔しいので、小さくでもやれると思ってやっています。

——1年目からスタメンで「好きにやれ」と言われて、好きにできましたか? 見ている側としては1年目から堂々とやっているように感じました。

いやぁ…(笑)。最初はだいぶ緊張しました。やっぱり、自分以外の周りはみんな大御所さんだったので、最初はちょっとビビリながらやってたんですけど(苦笑)、逆に大御所さんたちがいたから自分は出来たのだと思います。ガードとして躊躇していたらだめだし、思い切りやるのが自分の仕事だと金さんに言われて、途中からは思い切りできました。

——大御所というのは浜口(典子)、島田、慶山選手のことですね。彼女たちベテランからは何を学びましたか?

オフェンスにしても、ディフェンスにしても、自分がプレイしながら周りを見る余裕があるんです。試合の流れを読みながらプレイするのがうまい。一つ一つのプレイが見ていて勉強になりますね。いつも引っ張ってくれるので頼りっぱなしです。

——昨シーズンを振り返って、自分の出来について感想を聞かせてください。

1部(Wリーグ)と2部(WIリーグ)では、体の当たりも違うし、ディフェンスも違うし、シュート力も違うので、1部で自分のプレイが通用するかすごく不安だったけれど、実際にやっていくうちに思いっ切り向かっていけました。スピードはちょっと通用したと思います。特に、高校(桜花学園高)の先輩には同じガードの人が多いので、対戦する時は先輩相手でも「やってやろう!」と思ってプレイすることができました。

——新しいシーズンが始まります。今シーズンの目標を聞かせてください。

シュート力とスピードをつけて試合で安定した力を出せるようにしたいです。いい時と悪い時の差が激しいので、それをなくして常に自分の力を出せるようにするのと、みんなをプレイで引っ張っていきたいです。一応サブキャプテンなんですが、まだプレイでしか引っ張れないので、私はプレイで頑張ります。あとは、ベスト4に入りたいです。

質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●シーズンオフは何をして過ごしますか?

シーズンオフには実家に帰ります。実家でのんびりして、姪っ子2人と遊びます。私が遊んでもらっているというか…(笑)。それから、母校の中学校行ったり、ミニバスにバスケを教えに行ったりしています。

シーズン中の休みの時は、午前中はゆっくり寝ていて、起きたらそこら辺まで車でブーンと出掛けたり、チームメイトとお昼を食べに行ったり、時々、名古屋まで買い物に行きます。午前は寝ていて、午後は外に出る派です。


●自分で自分の性格をどう思いますか?

負けず嫌い! それしかないです。結構、サバサバしています。あと、メリハリがあると思います。練習が終わったら帰るの早いですよ(笑)。それで家ではの〜んびり。オンとオフではスイッチの入り方が変わる。それが重要ですね(笑)
(自分の弱点は?と質問してみると)お酒です…。飲むペース配分がまったくわかりません…。これから先輩に鍛えてもらいます(笑)


●自分だけの“こだわり”はありますか?

「これ欲しい」と思ったらすぐに買うこと…かな。車と大型テレビが欲しいと思っていたので、貯金して計画的に買いました。「頑張ったかな自分」と思ったら、すぐに欲しい物を買うほうですね。寮の部屋の家具は備え付けなんですけど、すべて自分でコーディネートしたかったので、買い換えました。

●憧れ、目標の選手はいますか?

引退してしまったけれど、桜花の先輩で元シャンソンの三木聖美さん。小学校の頃から憧れていました。自分で点も取るし、コントロールもできるところがすごいと思います。Wリーグに入ってからは相澤(優子、シャンソン)さんの体を張ったプレイを尊敬しています。相澤さんは本当にすごいです。それからシン(大神雄子、JOMO)さん。試合中に余裕があって落ち着いているところは見習わないと…。目がいくのはやっぱりガードですかね。桜花の先輩たちは気になるし、憧れます。

●ニックネーム「セイ」の由来は何ですか?

成津子の「成」がセイと読むので、「成功するように」との由来で金さんがつけてくれました。由来もいいし、自分の名前から取ったものだし、とても気に入ってます。というか、金さんがつけた時点で「それでいいです」って感じです(笑)

インタビュー&構成/小永吉陽子