- 2015年3月30日(月)特集
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ファイナルでのキープレイヤー 「JX-ENEOSに走り負けないこと」
山本 千夏選手(富士通 レッドウェーブ)
今回のゲストは5シーズン目を迎える富士通の主軸である山本千夏選手です。3Pシュートと鋭いドライブを武器としているオールラウンダーで、体の強さにも定評があります。
3月の21日、22日に行われたデンソーとのプレイオフ・セミファイナルでは、3Pシュートがさく裂、大活躍を見せてチームを勝利へと導きました。富士通としては7シーズンぶり、山本選手自身は初のファイナル。そんな山本選手にセミファイナルを振り返りつつ、いよいよ迎える決戦に向けての抱負を語ってもらいました。
——セミファイナルを2連勝し、7シーズンぶりのファイナル進出を決めました。
レギュラーシーズンで負け越していたデンソーに勝てたことは良かったと思います。
——セミファイナルを振り返って自分自身のパフォーマンスはどうでしたか?
2戦目は、今シーズンの中で一番自分らしいプレイができたと思っています。※3P6本を含む28得点。
レギュラーシーズンの後半、個人的には少し迷っているところがあって、思うように点が取れていなかったのですが、それがプレーオフに入って徐々に吹っ切れてきているかなと感じています。
——迷っていたとは、どういったことですか?
元々、シーズン序盤はドライブに行くことが少なくなっていました。それは3Pシュートの調子が良かったということもあったんですけど、途中から3Pシュートばかり打っているのが気になってしまって。それで今度はドライブを意識して狙うようにしたのですが、そしたらプレイのすべてがドライブ狙いのような感じになって…。3Pシュートが狙いづらくなってしまったら、シュート感覚も悪くなってしまったんです。それで3Pシュートが思い切り打てないという悪循環に陥ってしまいました。
——では、セミファイナル前は決して3Pシュートの調子が良かったわけではなかったのですね?
良くはなかったですね。試合前日の練習でも良くなかったし、当日の朝の練習でも特別良かったわけではないんです。ただ、レギュラーシーズンを振り返ると自分自身、点が取れなくてチームの足引っ張ったと感じていたので、プレーオフでは絶対に点を取りたいとは思っていました。乗れれば点が取れるとは思っていたので、自分で打てると思ったときには打っていこうとは思っていました。そうしたら、セミファイナルでは1本目のシュートがいい感じに入りました。
——3Pシュートは、日本代表活動のときに内海ヘッドコーチからクイックで打つことを教わっていましたが。
ドライブに行くことを気にし始めた頃、(ドライブに行きやすいように)ボールのもらい方を変えたんです。そうしたら自然とシュートのリリース遅くなってしまい、クイックで打っていなかった。シュートタッチが悪くなっていましたね。それでレギュラーシーズンの残り1、2試合くらいからですかね。ボールのもらい方も含めてクイックシュートを打てるように戻して。レギュラーシーズンが終わってからもセミファイナルまでも約一週しかなかったけれど、もう一度早く打つことを意識しました。練習中ではあまり成果は出ていなかったのですが、セミファイナルでは結果的にそれができたと思います。
——特に2戦目ですが、セミファイナルでは迷いなかったように感じます。
何が起きたのかわからなかったです(笑) 自分でも考えられないくらい、2戦目は乗れたとは思います。
——山本選手は初のファイナル進出となりますが、緊張はありますか?
試合前は緊張するタイプなのでファイナルでも緊張はすると思います。でも、まだ始まっていないので実感が沸いていないですね。セミファイナルも勝つことができ、ここまで来ることができたので、特別『ファイナルだから』という緊張はないと思っています。
——ファイナルでは7連覇のかかるJX-ENEOSとの対戦ですが、勝つには何が必要だと思いますか?
走り負けないことです。富士通の方がJX-ENEOSより試合に出ているメンバーが多いので、なおさら走り負けてはいけないと思います。それにブレイクは富士通の持ち味でもあるので、速いバスケットを展開して、3Pシュートも積極的に狙っていきたいです。後はJX−ENEOSにオフェンスリバウンドを取られてセカンドチャンスを与えないこと。リバウンドを徹底したいと思います。
ファイナルに関しては私も含めて初めて経験するメンバーが多いですが、2連勝した勢いもプラスして、まずは自分たちのプレイできるように。40分間自分たちのバスケットができれば、結果はついてくると思います。