- 2006年8月1日(火)特集
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今、まさに飛躍の時!野性味あふれる成長株
磯山 絵美選手(日立ハイテクノロジーズ スクァレルズ)

今回のゲストは日立ハイテクノロジーズの磯山絵美選手です。磯山選手は市立船橋高から2000年に富士通へ入社。富士通で4シーズンプレイし、その後、2004年に日立ハイテクノロジーズに移籍。日立ハイテクノロジーズに移籍後はメキメキと頭角を現し、昨年は切れのあるドライブインや3Pシュートを持ち味としてチームのキープレイヤーに成長。今年は初の日本代表選手に名を連ねた成長著しい選手です。元気いっぱい“野性味”あふれるプレイを見せる磯山選手の素顔と近況に迫りました。
——2シーズン連続で全試合スタメン、2ケタ得点。特に昨シーズンは勝ち星を重ねてなかなか手ごたえがあったシーズンだったのではないでしょうか。
チームとしては出だしが悪かったけど、第3、4クールに勝ち星が増えたのは良かったです。自分としては、しょっぱなのデンソー戦でシュートが1本も入らないボロボロの出来だったので、逆に開き直ってシーズンに入っていきました。それから徐々に調子を上げて、年明けには自分もチームも昇り調子になっていきましたね。入替戦が回避できたし、いい終わり方もできたし、良かったです。
——磯山選手自身、昨シーズンはプレイしていてとても楽しそうに見えました。
自分でもゲームをするのが楽しみでしたね。次はこういうプレイをやってみたいとか、どんどんイメージが出てきました。日立ハイテクに来て、だんだん自分のプレイができるようになって、昨シーズンはプレイのイメージが膨らんだ年ですね。自分のプレイがシーズンの最初からできないことは不満でしたけど…。
——富士通ではシューターとしてプレイしていましたが、日立ハイテクに来てからプレイの幅が広がりました。
そうなんです。もともと富士通にいた時はシューターとして育てられました。今はドライブインが多くなっているので、逆にもう少し3Pを打たなきゃいけないと思っています。
——今年は初の日本代表に選出されました。日本代表に選ばれた時の感想は?
最初は人づてに選ばれたことを聞いたので「うれしいけれど信じられない!」という気持ちでした。メンバーリストを自分の目で見るまでは半信半疑でした(笑)。リストを見た時に「本当だ〜!」って感じでした(笑)。
——実際に日本代表で練習してみて感じたことは何ですか?
まず、第1次合宿で軽いショックを受けました。自分のチームだったら通用することが日本代表では通用しなかった。それに、日本代表とチームとでは自分の仕事も違うので戸惑いもありました。そういった壁は日々の練習で毎日感じていました。
——そして、16日間の長期に渡るスペイン遠征を敢行。合宿よりもさらに厳しい遠征だったのではないですか?
スペイン遠征は…長かったです(苦笑)。正直、しんどかったです。これまで日本代表についてはいろいろな話は聞いていたんですが、海外遠征に行って改めてナショナルチームの厳しさを痛感しました。スペイン遠征での収穫はそれが一番でしたね。
——どんなところに厳しさを感じたのですか?
実際に試合をしてみると、合宿でやった練習よりもさらに通用するプレイが限られてしまい、改めて「このままじゃいけない」という焦りと不安が出てきました。それはプレイングタイムにも現れました。また、日本代表ではプレイタイムを得るだけじゃなくて、与えられた時間で自分の仕事をすることが大切になってきます。自分が仕事できたかに伴ってプレイタイムも伸びるということが分かりました。だから、まずは与えられた時間で自分の仕事をすることから始めなくては。とにかく、「もっと頑張ろう!」という気持ちになったスペイン遠征でした。
——そんな収穫があった中で、今後強化していく点は何ですか?
シュートの確率を上げることと走ること。これは今までも課題なのですが、さらに精度を上げていかないといけません。
——最後に今後の目標を聞かせてください。
今年は日本代表に選ばれたこともあるし、チームでは(林)五十美さんとテンさん(山田久美子)さんという2人の柱がいなくなったこともあるので、自分がチームの柱にならなきゃいけないと感じています。今シーズンはヘッドコーチも変わったし、若い選手も多いので、新しいチームを作るには時間がかかるかもしれない。正直言って苦しいシーズンになるとは感じています。今まで以上に気を引き締めていかないと。なので、自分はチームを引っ張っていく選手になりたいと思います。
質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)
●はじめての日本代表でしたが、長期遠征でチームメイトとの絆は深まりましたか?
私はもともと人見知りなんです…。性格はお調子者なんですが、小心者のところもあって…。見かけは人見知りだと思われないんですが…。だから、打ち解けるまで時間がかかると思ってましたが、さすがに16日間も一緒にいたら仲良くなりました(笑)。特に下級生の子たちはあまりしゃべったことがなかったので、そういう意味では全員と接することができた貴重な遠征でしたね。
●ニックネーム「モカ」の由来は何ですか?
高校(市立船橋)のバスケ部の3年生がつけてくれました。理由は色がモカ色だからということでモカです。色というのは肌の色です(笑)。そんな単純な理由です(笑)。でも結構気に入っているので、そのままWリーグに入っても使っています。この理由を人に言うと納得されます。モカって名前の雰囲気がかわいいから、地黒でもいいかなーと(笑)
●寮生活ですか? 一人暮らしですか?
今年から一人暮らしを始めました。引越ししてすぐに日本代表の活動に入ってしまったので、まだ部屋が片付いていなくてダンボールが積んであります(笑)。あ、寝るところと自分がくつろぐつところだけは、まとまっていますよ。しばらくしてダンボールの中身が必要ないのであれば、そのまま捨てちゃおうかなーと思ってます。こっち(ひたちなか市)は家賃が安いですよ。普通のマンションに駐車場のスペースが2台ありますからね。日本代表の活動が一段落ついたら部屋の掃除をして、ゆっくりと部屋で寝たいです。休日はほとんど部屋で寝ているか、DVDを見ているか、ゲームをしているか。部屋が好きなんです。
●好きな俳優や有名人は誰ですか?
佐藤隆太!(俳優)、佐藤隆太が出ていれば、ドラマも見るし、映画も見るし、雑誌も見ます。佐藤隆太がテレビに出ていれば「今テレビに出てるよ」と連絡が来るくらい、私の隆太好きはチームの共通です。もし……本人に会ったら、速攻でプロポーズしちゃうかもしれません(笑)。それくらい好き(笑)
●自分にとって「好きなこと」や「大切な時間」は何ですか?
なんだろう……? そうですね、妄想とか好きですね(笑)。妄想をすると自分の好きなふうに考えるじゃないですか。それが楽しいし、よくチームメイトと妄想話で盛り上がるんですよ。たとえば…「自分と佐藤隆太が結婚したら」という妄想になったらチームメイトが「じゃあ、私は隣に住んでお醤油借りに行くよ」と妄想が広がったり(笑)。佐藤隆太と知り合いでもないのに、勝手にそういうのを考えたり、みんなでワイワイと話したりするのが好きですね(笑)
構成/小永吉陽子