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2024年5月21日(火)特集

【インタビュー】第25回Wリーグ表彰者 BTテーブス(富士通)

いつもWリーグに温かいご声援をいただき誠にありがとうございます。

今年も、Wリーグ公式サイト恒例企画として第25回Wリーグにおける表彰者のインタビューを掲載いたします。
表彰された選手には、2023-2024シーズンを振り返ってもらいました。


BT テーブス ヘッドコーチ(富士通レッドウェーブ)

◆第25回Wリーグ コーチ オブ ザ イヤー 初受賞

──優勝おめでとうございます。ヘッドコーチにとってどんなシーズンになりましたか。
テーブス 昨シーズンはケガ人が多く、目指したところ(優勝)に対しての戦い方が予測できなくなりました。チームのコンディションを保つこと、それはスタートポイントで、ロスターが全員揃わなければ自分たちのバスケットはできません。特に昨シーズンはケガ人が5、6人と出てしまい厳しかったです。ただ逆に、それまでプレータイムがなかったいろんな選手たちが活躍する機会を得たことが、今シーズンの結果につながりました。それでこの優勝に結びついたんだと思います。

──チームや個人に対して、何年も指揮を執りながら積み上げきたものがありますね。
テーブス チームプレーはずっと同じコンセプトで取り組んでいます。コートに立っている選手たちだけではなくチームで戦うバスケット。得点のバランスやディフェンスのシステムなどはほとんど変わっていません。その上で、メンタルも強かった。上位チームとの対戦はすべて1勝1敗。自信を持つことが、選手たちの芯になった部分だと思います。

──選手たちはよく「same page」「over communication」という言葉を口にします。それもずっと言い続けてきたんでしょうか。
テーブス そうです、ベテランと若手の間にジェネレーションギャップがあるんじゃないかと気づいたので、「オーバーコミュニケーション」をテーマというか、チームのモットーにしましょうと。それに宮澤(夕貴)や林(咲希)などのリーダーが増えたんです。そこからチームのコミュニケーションの大切さ、セイムページになるためのミーティングなどが増えて、少しずつ良くなりました。

──お互いのことを理解しようとする努力する、チームケミストリーにはとても重要なことですね。
テーブス はい。あとは練習から競い合える環境もです。ずっと前からそういう環境を目指してきましたが、今シーズン、やっとできたかなって。各ポジションにライバルがいて、5対5の練習になると激しくやり合う。そこで努力をするし、負けられないという意識も高まります。練習環境が良くなりました。コーチとしてはロスターが代わっても選手の持ち味を引き出すようにいろいろ試してみる、コンセプトは変わってなくてもロスターを見ながら「どんなバスケットが一番ピッタリするか」それを考えるのはコーチングスタッフの役目ですから。

──以前、兵庫ストークス(現神戸)で優勝(JBL2)しましたが気持ちは違いますか。
テーブス 当時のストークスは昇格をめざすチーム。富士通では4回ファイナルを戦いました。正直、ホッとしています。2年前のトヨタ自動車とのファイナルでは篠崎(澪)と町田(瑠唯)がいて2人のために勝ちたかった。今回篠崎はいなくて申し訳ないけど、瑠唯や内尾(聡菜)らずっと一緒に仕事をしてきましたから、本当に勝たなければというプレッシャーがあって……優勝した瞬間は満足でした。

──宮澤選手がチームを引っぱる姿が印象的でした。
テーブス 彼女にそういう考えがあれば一番いいこと。FIBAアジアやWリーグのMVP……でもまだもの足りない、もっとすごい選手になるってコーチングスタッフと確認し合っていたんです。その上リーダーシップを発揮し、自分で責任を取ろうとしました。今シーズンはチーム全体に安定感があり、優勝を勝ち獲ることができたんだと思います。