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2013年3月29日(金)特集

目指すはシャンソンのエース「殻を破る」ために、日々奮闘中!

藤吉 佐緒里選手(シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)

藤吉 佐緒里

今回のゲストはシャンソン化粧品の藤吉佐緒里選手。今シーズンは、レギュラーシーズン、ファーストラウンド、セミファイナルの全31ゲームでスタメンを務め、シャンソンの中核を担うプレイヤーとして成長しています。ここ数年は日本代表候補にも選出される一方で「粘れるようになったけど、まだそこからの強さが出せない」と、自身のプレイについては、懸命に練習して克服する時期を過ごしています。藤吉選手は自分の意見をじっくり考えて話すタイプ。今回のインタビューでも、その熟考した答えの中に、飛躍への一歩が見えた内容になりました。

——4年ぶりに進出したセミファイナルでは、2戦目にJXを追い詰めるところまでいきました。戦いを終えての感想は。

セミファイナルに進出したのは久しぶりでしたが、レギュラーシーズンとは違うと本当に思いました。レギュラーシーズンも苦しいことは苦しいけれど、セミファイナルはさらに本気の戦い。それを経験できたのが一番の収穫ですが、やっぱり、勝たなきゃだめですね。またこの場所に来なきゃだめだし、もう一つ上のステージに行かなきゃだめだと思いました。

——JXに対して「やれた」と手ごたえがあったのはどんな部分でしたか。

2戦目に関しては、センターのディフェンスでは守れたと思います。勝負所でガードがドライブをするとか、勝負所で強さを発揮するとか、そういう面はまだまだです。追いつくところまでいったけど、そこからの強さを出すのがまだまだでした。

——若い選手の成長もあって、チーム力が伸びたシーズンでした。今シーズンのチームの手ごたえ、収穫はどんなところですか。

チームとしては粘れるようになってきました。離されても最後はついていくことができました。去年までは離されたらチームがバラバラになることが多かったのですが、今年は何とか粘れるゲームが多くなりました。そこから追い抜くところまではいってないのが課題です。

——では、今シーズンの自分自身の出来はどうでしたか?

手ごたえがあった試合もあったんですが………そうですね、最後のほうは納得いく試合ができませんでした。やっていても「なんか、違う…」という思いがあって、思うようなプレイができませんでした。シーズンを通して、なかなか乗れませんでした。

——木村ヘッドコーチからはどのような役割を求められているのですか?

相手を出し抜くための“瞬間の動き”を求められています。瞬間的に動くことでチャンスを作る動きなんですが、まだまだ全然だめです。あと、自分としてはリバウンドにもっと絡まないといけないと思っています。

——チームも自分自身も、納得いかないシーズンだったようですが、いちばんに改善すべき点はどんなところですか。

そうですね……(しばらく考えてから)競った場面や苦しいところで、選手自身が“乗って”いけるようにしたいです。それは私だけじゃなくて、選手全員で。何人かはポンポン…と乗っているけど、それはコートにいる全員じゃないんです。試合で粘れるのも選手が流れに乗れているからだろうし、それを一人じゃなくて、チーム全体で試合に入るというか、乗れる雰囲気を作らないといけないと思います。そういうところがシャンソンはまだ足りないです。

——それでも、今シーズンは今まで以上に主力として働いたシーズンだったのではないでしょうか。以前、取材したときに「殻を破りたい」と言っていましたが、それはあとどのくらいで破れそうな手ごたえなのですか?

そうですね……変わってきているとは思うんですが、自分ではまだ納得がいかないというか……。今年は破れなかったです。

——日本代表について聞きます。今年度も代表候補に入りましたが、ここ何回かは候補で終わっています。日本代表への思いはどのように感じているのでしょうか。

日本代表でプレイしたいです。ここ何回か残れないのが続いているのも、まだ殻を破れていないからだと思います。もう一歩、何かを超えていかないと残れないことは自分でも感じています。

——殻を破るために、「これが必要」だと思うことは何ですか?

そうですね……日本代表でいえば、「こいつが必要」だと思ってもらえるプレイが必要だと感じています。

自分は高校までは何となくできてしまって、何となく通用していたんですよ。でも、今は基本からできていないことが多くて、木村ヘッドコーチにすべてを教えてもらってます。これまで基礎を疎かにしていたわけじゃないけれど、今まで表に出てこなかった悪い面が試合で出ている感じです。基礎の部分を細かく指導してもらうと、バスケをすごく理解できるんです。そういう部分が足らないと思っています。

——たとえば、どんな細かい部分を教えてもらっているのですか?

軸足の使い方とか、ですね。今まで軸足の動かし方なんて考えたことなかったので、注意されたら「ああ、そうか」と思って直しています。あとは、課題である瞬間的に相手を出し抜く動きとか、チャンスを作ることに関しては、細かく教えてもらっています。だんだん出来てはいるんですけど……。

——最後に来シーズンに向けての課題、目標を聞かせてもらえますか。

はい。今言ったように、チャンスを作る動きができていないので、それをしっかりやりたいのと、もっと得点を伸ばしていきたいです。得点を伸ばすには、シュート本数をもっと打ちたいです。それにはやっぱりチャンスが作れていないので、動き方からしっかり見直さなくてはいけないと思っています。来シーズンは得点チャンスを作って、得点を決めて、チームに貢献したいです。

質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●藤吉選手の出身地、福岡のいいところを宣伝してください!

食べ物がオイシイところ(笑)。これはイチバンです。とんこつラーメンや、もつ鍋が有名ですけど全部オイシイですよ。帰省すると姉がおいしい店に連れていってくれるので、それが楽しみです。あと、博多は街の雰囲気がすっごくいいと思います。歩く人や街の雰囲気がおしゃれな感じがいいですかね。博多弁もポイント!独特のイントネーションが親しみやすいと思います(笑)

●最近、興味があること、ハマっていることは何ですか?

食べること!(笑)。オイシイものを食べるのが好きなんです。だから博多に帰るのがとても楽しみなんです。シャンソンでは休日は夕飯がフリーになるので、外食するのが楽しみです。好きな食べ物は、子供が好きなような物が好きです。唐揚げ、カレー、ハンバーグ、肉……まるで子供ですよね(笑)。苦手なのは生ものとお刺身です。

●WJBLで仲のいい選手は誰ですか?

チーム内では林(眞未)かな。一つ年下でよく一緒にいます。日本代表では同期のリュウ(吉田亜沙美、JX)、マヤ(川原麻耶、トヨタ)、シェル(藤原有沙、デンソー)とはすごく仲がいいです。マヤとリュウが騒いで、うちら(自分と藤原)がたまに参加したり、騒いでいるのを見守っている感じですね(笑)。見守るといっても、私は全然しっかりしているタイプじゃないですけど(笑)

●藤吉選手自身の性格自己分析をしてください。

マイペースだとよく人に言われます。ペースが遅い……マイペースですかね。行動も、しゃべるペースも、何事も遅いほうです。考えていることも人と違うみたいで……(苦笑)。でも、これが自分なので、自分のペースで進んでいきたいと思います。

●バスケットをしていて、今まででいちばんうれしかったことは何ですか?

難しい質問ですね……(しばらく考えて)。いっぱいあるんですけど、やっぱり、全国優勝したときがいちばんうれしかったです。高校3年(中村学園女子高)のときにウインターカップで優勝して、みんなでワーッと喜んだあの瞬間が忘れられません。もう、だいぶ前のことなんですけど(笑)。あの喜びを、もう一度、みんなで味わいたいです。

インタビュー&構成/小永吉陽子