- 2006年6月26日(月)特集
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信念で夢をかなえた元気いっぱい荏原の新戦力
岡崎 真弓選手(荏原 エバラヴィッキーズ)

憧れだったWJBL。きっかけはこのホームページのインタビューコーナーだった。昨年、トライアウトで荏原に入団した和田麻美選手の記事を読み、トライアウトを受ける決意をした岡崎真弓選手。荏原に入団する前は3年間保育園に勤務していたという異色選手です。所沢中央高では県ベスト8が最高成績。その後、バスケットを強化している秋草学園短大に進学したものの、トップレベルでプレイするには至らず「もっとバスケットがうまくなりたい」の思いを持ち続けていました。その夢はトライアウトを受けることで実現。夢をかなえた岡崎真弓選手の素顔に迫りました。
——トライアウトを受けた理由を聞かせてください。
私は短大でバスケットをやっていたんですが、本当は大学で4年間バスケットをやりたいと思っていたんですね。短大を卒業する時は「うまくなりたい、練習したい」という心残りのまま引退し、卒業後は保育士として3年間保育園に勤めました。保育士はやりがいある仕事でしたし、クラブチームでバスケットを続けてたんですけれど、週1回の練習だったので何か物足りなくて…。もどかしい気持ちを抱えたまま仕事をしていました。そんな時に昨年たまたま、和田さん(麻美)がトライアウトを受けて荏原の入団が決まったというWJBLのホームページにある記事を読みまして、「同じ気持ちの人が頑張ってるんだ。私もやらないで後悔するよりは挑戦してみよう」と決心したんです。
——それは、まさに今行っているインタビューコーナーですね。このコーナーが大きな力となっていたのですね。
そうなんですよ。和田さんの記事は大きかったです。あれを読んで影響受けましたから。
——トライアウトの出来はどうでしたか?
いろんな人が見る中で緊張感があったし、あまりシュートが入らなかったんですが、私にとってはすっごく楽しいものでした。ここにいる人たちは皆が同じ目的で集まっているから、自分にとって励みになったので「頑張ろう」という気持ちがすごく沸いてきましたね。トライアウトを受けたことに充実感がありました。
——荏原から指名を受けた感想は?
指名されたと聞いた時は信じられない気持ちでした。シュートがあんなに入らなかったのに…(苦笑)。でも、ちゃんと見てもらえていたことがうれしかったです。
——保育士からバスケット選手になった人はWリーグ史上、はじめてですよ。
そうですよね(笑)。短大自体はバスケットで推薦入学だったんです。でも、将来はバスケットで生活できるわけもないので、秋草学園短大なら幼児教育を専門としているので、保育士の資格が取れると思って入学しました。ピアノを弾くのが好きだし、小さい子供も好きだし。でも、やっぱりバスケットをもっと続けたかったんですよ。今しかできないから。
——荏原ではどんなプレイをしたいですか?
走ることが得意なので、走ることを生かしたプレイをすること。今までずっとセンターだったんですけれど、荏原ではポジションが上がっていくと思うので、ドリブルや外角シュートを強化していきたいです。あとはブロックするのが好きなので、ブロックは狙いたいですね。少しでも試合に出てチームに貢献したいです。
——憧れや目標にしている選手はいますか?
WJBLでずっと見ていたのは浜口(典子、アイシンAW)さん。同じセンターとして、よく走るし、プレイが安定しているのですごいなあと思います。最近はセンターより上のポジションを見るようになって、シャンソンの永田(睦子)さんの力強いプレイが好きですね。あと石川(幸子、シャンソン)さんのアグレッシブなところもカッコイイと思ってマネしてみたい。パワーがあってアグレッシブな人が好きです。
——プライベートではどんな生活を送っていますか?
親元を離れて一人で生活するのがはじめてなので、部屋の中が必要最低限のものしか置いてないんです。この間、たまたまエリさん(松本選手)の部屋を訪問させてもらったら、かわいい雑貨がいっぱいあって、雑誌に載っているような部屋で感激しました。これから徐々に家具や雑貨を買え揃えて、自分らしい部屋にしていこうと思ってます。
——これまでで印象に残っている試合は何ですか?
青年大会が唯一出た大きな大会ですね。その青年大会の大事な試合でねんざをしたのですが、その時のことが印象に残っています。ねんざをしたあとに処置をしてコートに立ったんですが、やっぱり痛かったので「勝てないだろう」と一瞬弱気になったんです。でも「ねんざに負けたくない!」と一生懸命やったら勝てたんですよ。その時に「これが気持ちでプレイをすることなんだ」と感じまして。だから荏原でも「気持ち」でプレイしたいです。
——今後の目標を聞かせてください。
まず基礎ができていないので、荏原の練習だけでなく、自主練をして補っていかなければなりません。チームに貢献できるように、荏原のバスケットを理解して実戦できるようになりたいです。とにかく、少しずつでもいいので常に前進していけるように努力していきたいです。大きな目標としては、「こういう選手になりたい」と思ってもらえるような選手になることです。
——岡崎選手が和田選手に影響を受けたように、今後もこの記事を読んであとに続く選手が出てくると思います。トライアウトを受ける人にメッセージをお願いします。
私がそうだったように、この記事を読んでトライアウトを受けてくれる人がいればいいなと思います。バスケットがうまくなりたい人は夢をかなえるために、ぜひWJBLのトライアウトにチャレンジしてください。何かを始めなければ変わらないと思うので。
構成/小永吉陽子