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2006年6月12日(月)特集

豊富な経験とハートの強さに期待!“26歳”のビッグルーキー

河本 直美選手(荏原 エバラヴィッキーズ)

河本 直美

今回から2回にわたり、トライウトにて荏原に入部が決定した河本直美選手と岡崎真弓選手のインタビューをお届けします。河本直美選手は中学時代にジュニアオースターの最優秀選手賞を受賞。名門・中村学園女子高に進学し、3年時にはウインターカップで3位入賞を果たしています。鹿屋体育大では、昨年トライアウトで荏原に入団した和田麻美選手とチームメイトとしてプレイ。インカレでは最高6位の成績を収めました。小気味いいパスワークと得点力を持った司令塔の河本選手。「トライアウトではWJBLへの一途な気持ちが伝わってきた。指導の経験もあるので考え方がしっかりしている」と、坂根部長も期待を寄せるビッグルーキーです。

——WJBLのトライアウトを受けてみようと思った理由を聞かせてください。

大学(鹿屋体育大)でバスケットをやっていた時から、もっと上のレベルでバスケットを続けたいと思っていました。でも希望がかなわなかったので、その気持ちが残ったまま地元の広島に帰り、中学校の非常勤講師をしながらバスケットのコーチをしていました。でも、やっぱりバスケットを続けたいという気持ちがあって…。去年、WJBLのトライアウトを受けて荏原に入団した和田(麻美)さんとは大学で同級生なので、和田さんからはトライアウトの話を聞いてたんです。それで「やっぱり私もWJBLでプレイしたい!」と強く思い、トライアウトを受ける決心しました。バスケットは今しかできないですから、後悔したくなかったんです。

——実際に荏原から指名を受けた感想は?

「ありがとうございます」って感じです(笑)。トライアウトではうまく動けなかったので、気持ちだけでやった状態だったんです。両親をはじめ、支えてくれ人が多かったので、その人たちのために頑張ろうと思いました。「WJBLに入りたい!」という強い気持ちが最後はつながったのだと思います。

——荏原では仕事と練習の両立になりますが、環境面には慣れましたか?

今年の2月1日付けで荏原エージェンシービジネスサポート事業部の経理室に配属されました。経理はこれといって得意ではないんですが(苦笑)、頑張ってやっています。今はもうだいぶ慣れてきました。最初の3か月間は疲れもあったんですが、春先からは生活のリズムを覚えてきましたね。

——東京暮らしははじめてだと思いますが、練習が休みの日などは何をしてリフレッシュしているのですか?

基本的にマイペースな性格なので、環境が変わってもすぐに対応できるほうです。一人でお風呂に行ったり、街にブラブラ出掛けたり、マイペースにやっています。ただ、東京は人が多いですね。あまり外に長くいると疲れるので、午前中に用事を切り上げて午後は休まないと体がもたないかもしれません(笑)。あとは、今はできるかぎり体のケアをしています。休みの日には針を受けに行ったり、会社でデスクワークをすると同じ姿勢になってしまうので、机の下に足つぼマッサージの器具を置いてマッサージしたり、合間を見て肩を回したり、体操をしたりしています(笑)。やっぱり生活はバスケット中心になるので、体のことだけはきちんとやっていこうと思っています。

——河本選手は中村学園女子高、鹿屋体育大とバスケットボールの強豪校に所属していましたが、学生時代に印象に残っている試合は何ですか?

高校3年生のインターハイの富岡戦ですね。どこが優勝してもおかしくない年で、私たちも優勝を狙っていたんですけれど…。ベスト8決めで富岡に3点差で負けました。3点差といっても、その3点がものすごく遠くて、最後の最後まで詰めたけれど及ばなかった。富岡はそのまま優勝したんですよ。優勝したかったので、あれは悔しかったです。

——憧れている選手や目標の選手はいますか?

昔はマイケル・ジョーダンさん(笑)。あの動きは素晴らしい! もともと憧れの選手は持たないのですが、つい最近、目標の人ができました。ウリィ銀行のキム・ヨンオクさん。日韓Wリーグチャンピオンシップの試合を見て、もうビックリしました! 32歳という年齢であの動きができるなんてスゴイです。速いしシュートは入るし。韓国の選手というのは鍛えようによっては30歳から上達するという話を聞いたことがあって、私もブランクがあって今26歳なので、キム選手のプレイを見てすごく力が沸いてきました。同じ人間だし、同じ女性なので、私にできないことはないと勝手に思わせてもらっています(笑)。見た瞬間に「この人だ!」と思いました。

——自分のプレイで「ここを見てほしい」というところをアピールしてください。

得意なプレイはアシストです。引きつけておいてのアシストなので、パスを見てほしいですね。荏原では交替でプレイすることになると思うので、あとから入った時にいい流れに持っていけるようにすることと、決められる時にしっかり得点を決めること。そして声を出してプレイを引っ張っていきたいです。

——初のWIリーグに向けての抱負を聞かせてください。

チームとしてはWIで優勝を目指したいです。やっぱり、一人ひとりがそういう気持ちを持てば優勝できると思うので。個人としては、まずは体を元に戻してから、それ以上に体を作ることです。プレイでは、チームが何をやろうとしているのかをしっかり追求してコミュニケーションを図って、早くチームに噛み合うようにしたいです。それにはやっぱり、考えながらバスケットをやらないといけないと思うんですよ。だから、チームの意図することを考えながら、ディフェンスからコツコツとやって、いいパスが出せるようにやっていきたいです。

——これからトライアウトを受ける方にメッセージをお願いします。

バスケットができる時間は限られているので、目標があるのならばぜひチャレンジしてほしいです。私も26歳で新人なんですけど、頑張っていきます。

構成/小永吉陽子