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2006年4月20日(木)特集

明るく元気な日本航空のホープ「もっともっと、うまくなりたい!」

岩村 裕美選手(日本航空 JALラビッツ)

岩村 裕美

今回のゲストは、この1年で大きな成長を遂げた日本航空の岩村裕美選手です。2年連続となったシャンソン化粧品とのファイナルでは平均14.4点を叩き出し、勝負所の3Pシュートや、コートを元気いっぱいに走るアグレッシブなプレイが光りました。昨シーズンは初となるWリーグベスト5を受賞し、日本代表にも選出されて東アジア大会に出場するなど、今後も期待大のプレイヤーです。ファイナル終了から1か月経った春の日、激闘となったファイナルとシーズンを振り返ってもらいました。頑張り屋さんという評価の反面、「チーム一の天然ボケ」(谷マネージャー)という素顔が垣間見えるインタビューでした。

——ファイナルを戦い終えて1か月経ちましたが、率直な感想を聞かせてもらえますか。

悔しかったです。ファイナルでは勝てると思われたゲームが多く、それを落としたというのが悔しかったです。去年も今年も優勝するという目標で臨んでいたので……。でも、気持ちでは負けてなかったと思います。

——5戦までもつれて、体力的にも精神的にも厳しい戦いでしたか?

疲れたのは疲れたんですけれど……。そんなにひどく疲れたという感じは、なかったですね。

——岩村選手はコートに立つ選手の中で特に元気さが目立っていましたものね。精神的な面ではどうでしたか? 5戦を戦うのは相当タフな戦いだと思うのですが。

そうですね。でも……あまりそういうことは考えないほう…かな。

——2年連続のファイナル進出。昨年と今年では手応えが違いましたか?

はい。去年は控えだったので先輩たちに合わせてプレイするだけでした。今年はスタートで出るということもあって、戦う意識が強くなったのと、先輩たちにプレイを作ってもらうだけじゃなくて、少しは自分で作れるようになったと思います。

——ゲームの流れが分かってきたということですね。

流れが分かってきたし、自分からこうしていきたいみたいな感じもあります。それが去年はなかったですね。去年は大事なところでシュートが打てなかったけれど、今年は打てるようになったなあ、ということを感じることがあります。

——シーズンを通しては、自分の出来とチームの出来はどうでしたか?

最初の頃は自分の調子は最悪でした。開幕から1か月くらいした時に大阪でデンソーと三菱戦(10/8、9)があったんですけど、その頃から悩んでいたものがフッ切れたんです。それで調子が上がっていきました。チームは、最初の頃は堀部(涼子)さんと畑岸(邦枝)さんが引退したこともあって不安定なまま試合に臨んでいたような気がします。でも、第3、第4クールくらいからはチームがひとつになってきているのを強く感じました。

——思い切りの良さが岩村選手の魅力ですが、自分自身はどこがアピールポイントだと思いますか?

うーん…。走る……ことかな。元気に走っているところ。思いっ切り。元気に(笑)

——そのアグレッシブさが評価されて、はじめてWリーグベスト5に選ばれました。受賞の感想を聞かせてください。

ビックリするだけでした。まさか賞をもらえるとは思ってなかったので「いいのかな」という気持ちが強いです。名前を呼ばれた時も「エッ、いやいや…」とか言ってました(笑)

——でも、賞をもらうのは嬉しいものでしょう。

はい。びっくりしたけれど嬉しかったです。“いいもの”をもらったと思っているので、これからも賞に恥じないようにさらに頑張っていきたいです。

——インタビューの受け答えを聞いて感じたのですが、あまり物事を深く考えないほうですか?

バレてしまいました?(笑)。まったく考えないほうです(笑)

——バスケットをしている時も身体が先に動くタイプですか?

はい。バスケをやっていて「どうやろう」とか「どうしよう」というのはあまり考えないですね。考えながらやっていたら……バスケができません(笑)

——ところで、昨シーズンは日本代表にも選ばれました。東アジア大会でアジアの強豪と戦ってみての感想は。

代表に選ばれたのも、国際大会に出るのもはじめてだったので、すごく嬉しかったです。やってみての感想は、身体の当たりが強いし、身長も高いし、そういう面ではすごいなと思ったんですけれど、平面的な動きに関しては負けてないなと感じました。やれなくはないな、と感じました。

——では、反省点はありましたか?

反省点はけっこうありますね。もっと1対1に行けば良かったし、もっとガンガン攻めれば良かったなと思います。それは日本航空においても課題です。

——最後に今後の目標を聞かせてください。

1年目、2年目、3年目とだんだんシュート力が上がってきているので、それをもっと上げていきたいし、1対1の能力を身につけたいと思っています。あとはディフェンスを頑張らないとダメですね。目標はですね……(少し考えて)ずっと目標にしていることは優勝することで、その気持ちは常に持っています。あとは、日本代表に選ばれたい気持ちはあります。選ばれてチームに貢献したいです。うまくなりたいですね。もっと、もっと。

質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●日本航空の練習は厳しいそうですが、厳しい練習をどのように乗り越えてきましたか?

練習は……厳しいですね(苦笑)。キツイと言えばキツイですけど、「シンドイ、シンドイ」と思っていたらもっとキツくなるから、どうやったら厳しい練習が楽しくできるかっていうふうに考えます。練習の前とか練習の合間に冗談言いながらやったら笑いも出るし、そうやって笑いながら乗り越えるようにしています(笑)。声を出して笑顔で盛り上げていけばキツイ練習も楽しくできると思います。練習はシンドイですけれど、ずっとやっていると、だんだん身体が慣れてきて走れるようになったりするんですよ。

●岩村選手はどのような性格の方ですか?

しゃべってみたら分かります(笑)。よく第一印象は「頭が良さそう」とか「クール」って言われるんですよ。でも正反対で、クールのクの字もないです(笑)。見た目とギャップがあります……よね?(と近くにいた谷マネージャーの顔をうかがう。谷マネージャー答えて「世の中では普通のことが、ユミには普通じゃないんですよ。チームにはユミ語録がたくさんあります(笑)」)。言いたいことは分かってもらえていると思うんですけど、言葉が出てこない。だからみんなに突っこまれます。いつも言葉を直されて「それそれ! それが言いたかったんやん!」って(笑)

●休日は何をして過ごしていますか?

目が覚めるまで寝てる。……ん? 当たり前ですね(笑)。休みの時は目覚ましをかけずにいっぱい寝る(笑)。のんびりしていることが多いけど、たまに外に出掛けます。川崎とか横浜とか近場ですね。人が多い所は苦手です。原宿とか渋谷とかはちょっと…ダメですね。最近ハマっていることはマッサージ。指圧系の強く押してもらうマッサージです。最近、マッサージ施設の会員に入ったので、行ける時には行こうかなと思っています。

●大好物の食べ物は何ですか?

お寿司と焼肉が大好き! どっちも好きだけど、どっちかといったらお寿司かな。魚が大好きなんです。生も焼き魚も。魚に目がないくらい好きなんですけれど……「これは何の魚?」と聞かれたら答えられません(笑)。(「名前も知らないで好きなものを食べていたの?」と、再び谷マネージャーが突っ込み、岩村選手は照れ笑い)

●私は運動神経が悪くて、バスケの才能もないのですが、岩村選手のようにうまくなれますか? また、運動神経は良くなるものですか?

運動神経ですか…。私は水泳がまるっきりダメです。平泳ぎはできるんですけれど、それ以外は泳げません。足も速くないです。試合では走れるけれど、走る練習は遅いほうです。どちらかといえば持久力派。運動神経は悪くはないけれど、良くもないといった感じなので、この質問に答えるとすると……。うーん(しばらく考えて)、努力しかないですよね。やる気と努力で。運動神経というより、何かひとつ得意なことがあれば、それを続けていけばうまくなっていくと思います。私も走ることは負けないように頑張りたいと思います。

構成/小永吉陽子