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2014年3月24日(月)特集

若いチームのリーダーになるべく「得点力アップと声を出してチームを引っ張りたい」

小笠原 ひかる選手(日立ハイテク クーガーズ)

小笠原 ひかる

今回のゲストは日立ハイテクのキャプテン、小笠原ひかる選手です。リーグ4年目の小笠原選手が最年長の日立ハイテクは若いチーム。若手に切り替わった今シーズン、小笠原選手は大きな飛躍を見せています。これまでの3シーズンとは比較にならないほどスタッツを伸ばし、得点面で貢献。平均10.91得点と初の2ケタ得点をマーク。大学時代はパワーフォワードでしたが、日立ハイテクに入ってフォワードにコンバートし、積極的に3Pシュートやドライブインを仕掛けるようになりました。その成果が今シーズンの野投(41.4%、リーグ11位)や3Pシュート(33.04%、リーグ11位)の確率アップにも現れています。2シーズン連続キャプテンを務めた小笠原選手にチーム状況や自身の成長について語ってもらいました。

——今シーズン(2013-2014)が終わりましたが戦いを振り返って、チームとしての手応えはどうでしたか。

チームとしては9勝(24敗)だったんですけど、接戦を落としたのが響きました。勝ち星を逃してしまったゲームがあまりにも多かったのがとても悔しいです。逆に言うと、シャンソンに勝ったり、負けたけれどトヨタに延長戦までいったのは手応えがあり、その2試合は今シーズンの収穫です。最後に新潟に接戦で勝って連勝もできたし、少しは粘れるようになって、チーム力は上がってきたように思います。

——今シーズン、個人としての出来はどうでしたか。

個人としては、昨シーズンはあまり試合に出られなかったので、今シーズンから主力として試合に出ようと頑張ってきました。自分の役割としてはオフェンス面で得点を取ることを求められていて、それに対しては、ここ最近の試合で役割が果たせるようになってきました。とくに、3ポイントの確率がだいぶ上がって、自信がついてきました。

——今シーズンは得点力が上がってきたことで、試合をするごとにだんだんとマークが厳しくなってきましたが、そういうときは、どうやって打開しようとやってきましたか。

プレイがうまくいかなかったときの判断は、少しはできるようになったのですが、ドライブからの判断が悪い場合は、そこでプレイが終わってしまってミスになったりしました。点が取れないときにどうするかが自分の課題。周りとの兼ね合いを考えて判断をどうするか、そこでミスがないようにプレイをつなげていかなくてはなりません。

——2年連続キャプテンを務めたわけですが、どんなところを心掛けてチームをまとめようとしたのですか。

去年もキャプテンだったんですけど、去年と違ってチームで最年長だったので、コートの中でも外でも引っ張らなくてはいけないと思っていました。私はプレイがうまいわけではないので、プレイで引っ張るというよりは、地道なところで頑張るように心がけました。練習中は人よりも声を出したり、周りにも声をかけながら、そういうことからチームを盛り上げていくことによって、自分自身も頑張ろうと思いました。

——キャプテン2年目。1年目より引っ張っていけたところはありましたか。

昨シーズンはキャプテン1年目でどうしていいかわからず手探りでやっていて、上の先輩たちに助けてもらっていました。今年も最初は誰にも頼れずにいたんですけれど、副キャプテン(高橋香澄)が同い年だから頼るようになって、2人でコミュニケーションを取りながらやれるようになりました。高橋さんの存在はとても心強かったです。

——1リーグ制になって2年目。上位チームからは勝ち星をなかなか奪えませんでしたが、上位チームに対しての手応え、そして足りなかったところは。

上位チームに負けたら悔しいのですが、正直、今のところは身長も体格も、技術もレベルも差があると感じます。全部において足らないです。でも、上のチームのレベルに行きたいと思ってやってます。同じリーグでやっているのですから。

——では、その足りなかったところに対し、来シーズンに向けては何を強化していきますか。チームと自分自身の目標を聞かせてください。

今シーズンも上位進出を目指していたけれど、まだまだでした。でも、この1年を通してみて、昨シーズンだったら崩れてしまったところも勝負できたことがあったので、チーム力がついていることは感じます。来シーズンはもっと力をつけるために、高さがないぶん、スピードでブレイクを出して走ることを徹底してやらなきゃいけないです。個人としてはシュート力を磨いて、また最年長としても、声を出してチームを引っ張っていきたいと思います。


質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)


●コートネーム「リツ」の由来は?

愛知学泉大のときに先輩につけてもらいました。由来は「何事にも立ち向かう」の“立”をリツと読んで、リツとなりました(笑)。何個か候補があった中から「リツ」になったんですが、響きがいいので気に入ってます。

●小笠原選手は愛知学泉大で成長した印象があります。大学時代の教えで印象に残っていることを教えてください。

それはもう……本当にたくさんあります。愛知学泉大では、バスケができる環境や学校の支援に感謝すること、そして周りの人々にも感謝することを教わり、人間的な成長ができたと思います。

私はとても不器用な選手で、ディフェンスの練習でうまくいかなかったとき、もう選手としてダメかなと思ったことがありました。そのとき伊與田(好彦、監督)先生に言われたのは「不器用だからこそ努力して解決しようとするんだ。器用な人はすぐにできるのだから、不器用な人のほうが頑張れるのではないか」ということでした。この言葉がすごく心に残っていて、今でも私の支えになっています。成果が出ることを信じて、ひたすら練習をしてきた4年間でした。


●小笠原選手は日立ハイテクの中で入替戦を経験した数少ない選手ですが、入替戦に対しての思いや経験を聞かせてください。

新人だった1年目に入替戦に出て、そこで1部(Wリーグ)から2部(WIリーグ)に落ちました。2部のときは1部の華やかさを知っていたので悔しい思いがある反面、2部のチームに負けたこともあって情けなかったです。2部のチームには仕事とバスケを両立しているチームがあり、そんな中で私たちは仕事をしていないのに、練習量が違うチームに負けちゃダメだよなと思いました。そういう意味では、私たちは1部に上がらなきゃいけないチームだったと思います。私が3年目の昨シーズンからは1部制になりました。

●キャプテンの小笠原さんから見た日立ハイテクとはどんなチームですか?

外から見ると、けっこう真面目そうに見えると言われるんですけど、何かしらイベントがあると盛り上がるチームです。盛り上げ役は天野(佳代子)と池内(侑里)です。ハロウィンのときは練習後に更衣室で着替えてきて、コスプレをしてみんなを笑わせてくれました。2人とも若くてノリがいいんですよ。そんな感じで楽しくやっています(笑)

●プライベートな時間は何をして過ごしていますか。自分にとって、心が安らぐ時間とは。

本を読むのが大好きです。ジャンルは推理小説が好きで、遠征の移動中でも、休みの日も、よく本を読んでいますね。毎週一冊は読んでいるかな。本を読んでいると余計なことを忘れられるんですよね。練習後、お風呂に入りながら本を読んでいる時間がとても幸せですね。


インタビュー&構成/小永吉陽子