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2012年11月16日(金)特集

22歳、いま飛躍のときJXの若きインサイドの柱

間宮 佑圭選手(JXサンフラワーズ)

間宮 佑圭

今回のゲストはJXのインサイドの柱である間宮佑圭選手です。東京成徳大中、東京成徳大高時代より全国大会で活躍してJXに入団。昨シーズンのファイナルでは、ケガ人が多発する中でスタメンのセンターとして台頭し、チームの優勝に大きく貢献。6月のオリンピック世界最終予選では、接触をいとわずにゴールに向かう機動力あるセンターとして、日本に新しい力を吹き込みました。今シーズンは得点王争いのトップに立ち、まさに、飛躍のときを迎えています。間宮選手にこれまでの道のり、世界最終予選で得たこと、今後のチームと自分の戦い方について聞きました。

——序盤戦を終え、チームは8強進出(プレーオフ1回戦)一番乗り。自身は得点1位(11月15日現在、平均20.0点)をひた走っていますが、ここまでの自分の調子はどうですか?

昨シーズンと比べてプレーが安定していることは感じます。昨シーズンまではどうしても波があったので、それがなくなってきた気はします。

——昨シーズンのプレーオフを経験して大きく飛躍したと感じるのですが、自分では波がなくなった要因は何だと感じていますか。

あるときに、「これだ!」と思えるタイミングが“ポン”ときたんです。今年のオールジャパンあたりにそのタイミングがあって、自分がしっくりくるプレーができたんです。ちょうど1年くらい前の11月、12月にポストプレーの練習を増やしたんですけど、その効果があったのか、オールジャパンのときに「コレコレ、この感覚だ!」と思うポストプレーができました。オールジャパンではまだ波もあったんですけど、それでもコツをつかんだというか、これが自分のペースだと気づけました。

——2年目のシーズンあたりは「パニックになって、周りが見えなくなることがある」と言っていましたよね。今年で4年目。Wリーグにすぐに順応するのは難しかったですか?

難しかったです。どれだけ集中していても、試合ではよく空回りしていました。「なんか違うんだけどなー」という、引っかかった感じが常につきまとっていて…。

——もっと早くに順応できると思っていましたか?

思っていました。自分が1、2年目のとき「高校と何が違う?」と質問されたときに「どこが違うんだろう」と言葉でうまく表せませんでした。振り返ってみると、自分がしっくりくるプレーが思うようにできなかったのは、高校とWJBLの舞台の大きさが違うんだなと、感じたことは覚えています。

——自分のプレーができなかったのは、高校まではエースとして中心的な存在だったのが、Wリーグでは控えとして出ることも影響していましたか?

自分の中では控えでプレータイムが限られていても、常にやることは絞ってはいたんです。今はリバウンドだ、今はこのプレーをやるんだ、と。でもあとから出て行くと、流れを変えるときと流れを維持するときがあって、その中で自分がやることと、チームが求めていることをつかむのに、考えがまとまらなかったことはありました。それでポストプレーの練習を増やしたんです。

——そんな中で3年目を迎えた昨シーズンのファイナルでは、インサイド陣のケガが多発したこともあり、「自分がやらなきゃ」という意志の強さが見えました。ファイナルではどのような気持ちで臨んでいたのですか?

そうですね。昨シーズンのファイナルでスタメンで出るようになって「私がやるんだ」という自覚が出たんだと思います。どうしても今までは同じポジションにロンさん(諏訪裕美)もいたし、先輩たちについていきながら自分の仕事をしようと、一歩下がっていたような、燃えきらないところがあったような気がします。ファイナルを乗り切れた経験は大きかったです。

——今年のオリンピック世界最終予選では、髙田真希(デンソー)選手とインサイドでコンビを組み、日本の軸ができた手応えがありました。世界最終予選に出て得たものは何でしたか。

今まで以上に自覚が出たと思います。日の丸の重みを背負っていることにすごく責任を感じた大会でした。自分より大きい世界のセンターたちと戦って、自信をつかめたプレーもたくさんあったんですけど、それよりも、大事なところでファウルトラブルを起こしてしまい、なんて無責任なことをしてしまったんだろうと、申し訳ない気持ちが今でも残っています。もっともっと自分がやらなきゃオリンピックに行けないんだ、という気持ちになりました。

——世界と戦って得た中で、これからの課題は何ですか。

走る体力と相手とぶつかり合う体力の両方が必要だと感じて、今はウエイトトレーニングを増やしています。当たりに負けない体を作りたいです。

——国際大会の経験者が多いJXの選手層であれば、勝つことが当然のように求められます。そんな中で今シーズンはどのようなバスケットを展開したいですか。

勝つことも大事なんですが、今、このメンバーでバスケをしていてすごく楽しいんですよ。そういう、楽しいと思えるチームプレーを大切にしたいです。

自分自身も手応えを感じているし、自分で攻めにいけないときはパスを回して渡嘉敷(来夢)が決める、岡本(彩也花)が外から決める、リュウさん(吉田亜沙美)がドライブをする、リンさん(木林稚栄)がリバウンドを取る、それでシンさん(大神雄子)が元気づける。一つ一つのプレーのつながりに鳥肌が立って、「わー楽しい!」と思いながらバスケをしているんですね。今年はメンバーが若くなったんですけど、チームバランスが取れていると感じるので、コミュニケーションを大事にして、チームメイトのみんなで優勝へ向かっていきたいです。自分自身は常に得点の要となるように、シーズンを通してやっていきたいと思います。

質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●シーズン中のオフの日は何をして過ごしていますか?

最近はマザー牧場に行ったり、ゆず展やジョジョ展に行ったり、予定がポンポンポンと入って、いい休日を過ごしてますね。予定なければ部屋でのんびりしているけど、引きこもりが好きなわけじゃないし。外に出たいインドア派でしょうか(笑)

●最近、興味があることは何ですか?

最近はイラストを描くことが多くなりました。もともと絵を描くのが好きなんですが、iPadにお絵かきアプリを入れて、いろいろ描いています。知り合いの結婚式のウエルカムボードを頼まれたり、けっこう頑張ってるんですよ。だいたい何でもチャチャチャッと描いちゃいますね(笑)。ひとつの趣味として、極めてみたいなと思ってます。

●184㎝の間宮選手。いつから大きいのですか? どうやったら身長が伸びますか?

そういう質問はすごく多いのですが、特に何かをしたわけではないんですね。母親が176〜177㎝あって、父親もそれくらいあって、すくすくと育ちました(笑)。子供の頃から大きくて、小学校に入ってからも毎年5㎝ずつ伸びたので、成長痛もなかったんです。だから、どうやって大きくなったというよりは遺伝ですね。食べ物の好き嫌いもありません。メキシカン料理だけはどうしても食べられませんが、あとは何でも食べて、運動していたら伸びてしまいました(笑)

●同じチームの渡嘉敷来夢選手はライバルですか? 渡嘉敷選手をどう見ていますか?

うーん、ライバルというよりは、JXに入ってからはポジションも若干違うし、求められていることも彼女とは違うので、バリバリの闘争心はないですね。彼女のプレーを見て学ぶし、チームとしても、個人としても、いいバランスを取って、いい関係でいたい選手かな。どちらかといえば、高校時代のほうがずっと決勝で対戦していたのでライバルでした。JXに入ってからはロンさん(諏訪裕美)とポジションがかぶっていたので、ロンさんへの闘争心のほうが大きかったです。今は渡嘉敷が4番(PF)、私が5番(C)なので、いい相棒ですね。普段の渡嘉敷は、岡本とコンビになって私に絡んできて、かわいくてしょうがないです(笑)。私は高校までは後輩とは必要以上には絡まない性格だったんですけど、渡嘉敷と岡本はそれを打ち砕いた子たちでした(笑)

●間宮さんはツイッターをやっていますが、ツイッターでは本音をつぶやいていますか? ツイッターをどのように活用していますか?

普段の自分は結構ふざけた感じなんですけど、「間宮さんてクールでしょ」「真面目な人でしょ」「怖いでしょ」とか言われることが本当に多くて。それは雑誌のインタビューとか、試合のイメージが先行していたと思うんですけど、でも違うんだよ、と言える空間がツイッターやフェイスブックだと思って、有効活用しています。人によっては、何をふざけてるんだ、もっとまじめに書けと思っている人もいるかもしれません。でも、本当はおちゃらけな一面も知ってほしいし、試合へのマジメな気持ちも知ってほしいし、伝えることは自分の口から伝えたい。ありのままの自分を伝えられるところが、ツイッターやフェイスブックのいいところだと思います。でも、実は核心めいたことはつぶやいてなかったりもします(笑)。うまく使ってファンの方とつながっていたいですね。

インタビュー&構成/小永吉陽子