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2005年10月1日(土)特集

9年目の今も成長し続けるシャンソンの新キャプテン

石川 幸子選手(シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)

石川 幸子

今回のゲストは昨シーズン5年ぶりのリーグ優勝を果たしたシャンソン化粧品の石川幸子選手です。名門・新居浜商高から、コーチの転勤にともなって甲子園学院高に転入。その苦労をものともせずに、3年時のウインターカップでは準優勝し、その身体能力の高さは注目を集めました。シャンソン入社後は、厚い選手層に阻まれてなかなか試合に出ることはできませんでしたが、今では持ち前のパワフルな攻防と安定したディフェンスを武器とし、チームに欠かせない存在となっています。このインタビューでは、はじめて選ばれた代表のこと、試合に出られなかった時代のこと、そして、スキンヘッドにした理由など、今まで知らなかった石川選手内面を知ることができました。

——シーズンが始まりました。開幕戦は落としてしまいましたが、その後のチームの調子はどうですか?

開幕戦(JOMO戦)はみんなが硬かったです。今まで試合に出ていなかった選手も出ていたし、そういう部分で噛み合ってなかったです。自分は開幕の何日か前から胃炎を起こしてしまって、御飯もろくに食べられなくて、それで開幕戦は体がまったく動かなくて…。自己管理ができなかったことに対しては、ものすごく反省しています。シャンソンはこれからもっと力を出せると思います。

——今年は日本代表として6月のアジア選手権に出場。その後にシーズンを迎え、今までにない調整で臨んだシーズンだったのではないでしょうか。

あっという間にリーグ戦の時期が来たような気がします。開幕前に気持ちを切り替えなきゃと思ったんですが、日本代表から帰ってきてから期間が短いこともあって、うまく切り替えられてないかもしれません。それに代表に行っていた分、体力トレーニングができなかったし、チーム練習ができていない心配もあります。だから、ほんとうにこれからですね。

——日本代表の話がでたところで、初のアジア選手権に出た感想を聞かせてください。

やっぱり、勝ちたかったですよ…。もっとこう……何て言えばいいのか、日本の代表として戦う意識が足りなかったような気がします。あとはチームとしての完成度をあげて臨みたかったです。荒さんがヘッドコーチなのでJALのシステムを用いましたが、あのエイトクロスはJALが何年もかけて作ってきたものなので、それを急にやるのは難しかったですね。自分の出来は、ドライブインなどは通用したと思いますが、外からのシュートの確率をあげていかないことには国際大会では通用しないと思いました。

——今年はリーグ中に東アジア大会(10/29〜11/6)もあり、ハードな1年になりそうですね。

そうですね。リーグ中ですが、出るからには結果を残したいと思います。こういう経験を積むことはめったにないことなので…。だけど、ハードですよね。これをミラ(永田睦子選手)さんは毎年やってきたかと思うと…すごいです。ミラさんは今年はじめてオフに休むことができて、今まで本当に大変だったと思います。体を休めることの大切さが分かりました。

——ところで、今年はシャンソンのキャプテンになりました。

キャプテンということで意識はしていますが、ミラさん、リズさん(相澤優子選手)、ユウ(三木聖美選手)と、経験がある人ばかりなので助けてもらっています。シャンソンはみんなバスケットが好きで素晴らしいチームなので、楽しく厳しいチームにしたいと思います。

——話は変わりますが、石川選手は下級生の頃は試合に出られませんでした。言ってみれば遅咲きの選手。試合に出られない頃はどうやってモチベーションを高めてきたのですか。

「私にはシャンソンでやることは無理なのかな」と思った時期もありましたが、辞めようとは思わなかったです。私にとって大きな出来事が2つあって、一つは日本代表が若手でアジア大会(98年バンコク大会)に出た時なんですけど、その時に日本の主力だったジェット(加藤貴子)さんとミチ(村上睦子)さんはお休みしていたので、日本に残って一緒に練習をしたんですよ。そうしたら、同じポジションのジェットさんがいろいろと教えてくれたんです。あまりにもジェットさんがスゴかったので、バスケットって面白いなあと改めて感じたのと、「まだまだうまくなりたい!」とこの時に思いました。

もう一つは4年目か5年目にWJBL選抜としてカナダ遠征に行った時、けっこう試合に出させてもらって「やっぱりバスケットって楽しい!」と思ったことです。ところどころで転機があったので、そのたびに気持ちを高めて、ここまで続けられたというのはありますね。

——今年は9年目。2、3年前からは主力として試合に出るようになり、今はさらにバスケットが楽しくなったのではないですか?

そうですね。もう9年目なので、今は結果を残さないと(笑)。試合に出るようになってからは、練習しても負けたらしかたないと腹をくくれるようになったというのはありますね。歳を取ってきて回復力が遅くなった気はしますが(笑)、1年1年やっていこうと思っています。

——最後に今シーズンの目標を聞かせてください。

目標は2冠です。自分の課題は外角のシュート率を上げることです。

質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●石川選手のパワーにはいつも驚いています。どのようなトレーニングをすれば、ビクともしない体になりますか?

トレーニングはチームのみんなと同じことをしているので特別なことはしていません。しいてあげれば…ご飯をよく食べているからかな(笑)。それもゆっくりよく噛んで食べています。どうしてゆっくり食べるようになったかというと、高校の合宿で練習で疲れていても「ご飯を食べろ、食べろ」と言われて、ムリヤリ食べていたことがありました。そのことで一時期食べることが嫌いになったことがあって、ゆっくり食べるようになりました。小学校の頃は早食いだったんですけど。今は食べることが大好き! 食べないと練習についていけませんから(笑)

●最近、買った大きな買い物は何ですか?

ソファを買いました。予算と相談して一人用のソファです。そこに座ってテレビを見ている時間がとても幸せですね。

●自分にとって「これはとっても好き!」というものは何ですか?

富士山! シャンソンの寮から体育館に行く途中に、富士山がよく見える場所があるんですよ。毎日見てるんですが、いつ見ても富士山はキレイで、やっぱりいいなーと思います。日本一ですしね。

●スキンヘッドになった理由を教えていただけますか。失礼にあたったらすいません。

はい。全然気にしてないのでいいですよ。今まで脱毛症で悩んでいたので、去年のシーズン前に思い切ってスキンヘッドにしました。それからずっとこの頭です。私がこの頭でプレイするようになってから、同じ脱毛症で悩んでいる人から「励まされた」と手紙をもらうこともあります。今は治療をしつつ、普段は帽子をかぶったり、試合ではヘッドバンドをつけたりして楽しんでいます。この間はヴィッグ(つけ髪、かつら)を買いました。私はもともと天然パーマなので、ヴィッグでストレートヘアになったりして楽しんでいます。

●石川さんは個性あるシャンソンの中では穏やかそうに見えますが、実際はどうなのですか?

(浜田マネが隣に来て「サチさんはマイペースですよね」と一言。それを受けて)そうですね。マイペースなB型ですね(笑)。自分では負けず嫌いだと思います。(再び浜田マネが「あとサチさんは怒らない人!」と指摘すると)そうなんですよ、怒れないんですよ。チームメイトに突っ込まれても、なぜか笑って受け止めちゃうんです(笑)。だいたい突っ込むのは三木ですけど(笑)

構成/小永吉陽子