NEWSニュース

2004年10月1日(金)特集

10年目を迎えた今シーズン。選手層が厚くなり、いろいろなことに挑戦したい!

永田 睦子選手(シャンソン化粧品 シャンソンVマジック)

永田 睦子

第2回目のゲストは5年ぶりのリーグ制覇を目指すシャンソン化粧品のエース、永田睦子選手。ゴール下での粘り強さとパワフルさはリーグ一。Wリーグではこれまでに3度のMVP、5年連続の得点王、8度のベスト5に輝き、まさに名実ともに日本を代表するエースとしての活躍が光っています。10年目という節目の年を迎え、「今まで以上に戦うのが楽しみ」と語る永田選手に、今シーズンの抱負、日本代表の話などを聞きました。

——いよいよWリーグが開幕しました。アテネから帰国後、チーム練習の期間が短かったと思いますが、開幕を迎えてどんな調子ですか?

開幕戦(対三菱電機)はアタフタしてしまいました(苦笑)。私自身は最初っから飛ばしすぎていたし、チームはまだ細かいところでうまくコミュニケーションが取れてない部分がありました。私やマッキー(江口選手)がオリンピックに出ていて合流が遅れた分、これからチームと合わせるといった感じです。

——今年のシャンソンは選手層の厚さ目立ちますが、どんなチームを目指していますか?

そうですね。今年は本当にいろんなタイプの選手がいっぱいいて、それぞれに面白いところやいい部分があるので、誰が出ても面白いバスケットになると思います。練習をしていても「一体誰がスタメンだろう?」と思う時があるんですよ。それくらい面白い。センターもガードも豊富にいていろんな組み合わせができるので、メンバーを固定しないかもしれないですね。自分のポジションも去年よりアウトサイドで攻めることが多くなって、ディフェンスでもいろんな選手につくと思うので、様々なことに挑戦しようと思います。

——ベテランの相澤選手や、李ヘッドコーチが就任して、チームにどのような影響をもたらしていますか?

そりゃあもう、妥協なし! ですよ。リズ(相澤選手)さんは最年長ですけど気持ちが若いし、意識も高いし、私自身リズさんからたくさん勉強することがあります。李さんは、以前は(OGとして)シャンソンを陰で支えてくれていましたが、私自身は本格的に教えてもらうのははじめてなんです。妥協しない方なので、チームは間違いなく向上していくと思います。

——では、もちろん今シーズンの目標は…

はい。優勝です! それしかないです。これは毎年目指していますけど。今年は「優勝するぞー」という意気込みではなくて、「自分たちのやるべきことをやれば結果はついてくる」そんなつもりでみんなやっています。

——永田選手は日本代表でも中心選手として活躍しています。アテネ・オリンピックを戦った感想や、得たことを聞かせてください。

チームとして、もっとやれることはあったと思うけれど、現状では精一杯やったと思います。ギリシャ戦に限って言えば、惜しかったとも言われたけど、大事なところでリバウンドが取れてないんですよ。それに(残り3分に)6点離した時にそれ以上離せなかった。徹底していない部分が多かったし、だから負けたんだと思います。

オリンピックで感じたのは、今の日本のプレイでは、身長が高くて機動力の出てきたヨーロッパにはもう通用しない。もう少し戦い方を考えて、もっともっと徹底していかないと世界で戦うのは難しいと思いました。だけどこれだけは言いたいのが、自分たちはいい成績は残せませんでしたが、私たちのオリンピックの試合を見て「将来はナショナルチームに入って世界と戦うぞ」という気持ちになった若い選手たちが出てきてくれたら、自分たちが戦った意味があったと思います。

——気がつけば、永田選手は今年で10年目。ベテランとして心がけていることはありますか?

そうなんですよ。あんまりそう見られてないんですけど、実はもう10年目なんです。何故かいまだに6年目くらいに見られることが多くて(笑)

心がけているというか、最近はいろいろと考えてバスケットをするようになりました。私って要領がいいタイプではないというか、ここで手を抜けば楽になるのに、と思っても手を抜けない。昨シーズンにシャンソンの姉さん方(岡里明美、山田かがり、島田智佐子選手)が抜けた時に「今までの自分は甘えていた」と実感して、チームをよくするためにチームに自分の考えを伝えようと思ったんですけど、私ってそういうことを表現するのがうまくないから、いろいろと背負ってしまって…。器用に生きられないんです。何も考えずに自分のやるべきことに没頭したほうがいいタイプなのに、変に考えたりしてプレイがおかしくなった時もありました。でも、楽しくやるのはもちろんだけど、それだけじゃ勝てない。自分たちで考えてチームを良くしていかないとダメだと思うんですね。うちの若い選手たちにもそれは言いたいですね。

——精神面での変化が見られた永田選手ですが、プレイの持ち味は変わらず、ですね。

はい! リバウンドとドライブインはガンガンやりますよ! 当たりの強いプレイがなくなったら私じゃない(笑)。それは10年目になっても変わらずにやっていきます。

質問コーナー(ホームページに寄せられた質問にお答えします!)

●永田選手は日本一のパワープレイヤーでありながら、その反面お菓子作りが趣味だと聞きました。それは本当ですか?

本当です(笑)。最近は日本代表の合宿等で時間がなくて作ってないけど、お菓子作りは大好きですよ。試合のあとに、わざわざ材料を買いに行って作っていたこともあるほど。去年はソフトクリームメーカーまで買ったし(笑) 作るのはクッキーとかケーキとか焼き菓子が多いですね。作っている時って、材料をきちっと計ったり、粉やクリームを混ぜたり泡立てたりして、何も考えずに没頭できるのがいいんですよね。

●マッチアップしていて面白い選手・嫌な選手は誰ですか?

それは、もう古賀京子(三菱電機)です。昨シーズンで引退しちゃったから、もう対戦できないのが残念だけど。リク(古賀選手)は止めたいと思うけど、止められなかったり、対戦していて楽しかったですね。また、マックさん(浜口選手)にマッチアップするのも面白かったです。うまくハマった時は「今日はいけるかな」と思うけど、マックさんは自分より身長が高いし、守る範囲外で攻められるとお手上げ状態でした(苦笑)。面白くもあり、イヤな相手でしたね(笑)

●いつもニコニコの永田選手、どうやったら明るくなれるのですか? また悩んだことはありますか?

えっ!? 私ってそんなイメージなんですか? どっちかといったら、ニコニコしてないですよ。試合中は怖いって言われるし、しかめっ面でプレイしていると言われます(笑)。キャラ的には明るく見られているんですけど、何てったって今年で10年目ですから、年齢分の悩みはあるんですよ。こう見えても(苦笑)

●今までバスケットをやってきて、一番努力したことは何ですか? 

それは、日々の練習です。バスケットは日々の積み重ねが大事なスポーツなので、毎日の練習をどれだけ徹底してやったかが結果に表れます。毎日妥協せずに徹底して練習をしているつもりです。練習でできないことは試合ではできないので。

●バスケットに一番大切なものは何だと思いますか?

「気持ち」ですね。スポーツはみんなそうだと思いますけど、バスケットは気持ちでどうにでもなります。「この人を守る!」と思ってディフェンスすれば守れるし、守れなければ普段の練習を一生懸命やって守れるようになるまで頑張ればいいし。気持ちが一番大切。それがなくなったら終わりです。はい。

構成/小永吉陽子